2022年(令和4年) 8月30日(火)付紙面より
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安全功労者内閣総理大臣表彰受賞
鈴木 重良(すずき しげよし)さん
40余年の交通安全活動の功績で今年7月「安全功労者内閣総理大臣表彰」を受けた。
自営業で比較的時間が自由だった鈴木さんに声がかかり、交通安全活動を始めたのは1975年。「ボランティア活動くらいならいいか」と軽い気持ちで引き受けたという。
以来、余目地区交通安全協会狩川支部青年部長、同安協理事、副会長、2015―17年は庄内地区安協会長を務めた。19年に同地区安協を引退するまで約44年にわたって安全活動に関わり、同地区の“ミスター交通安全”と呼ばれるまでに。
鈴木さんが安協活動を始めた1975年当時は町内も農道が多く、道幅も狭かったことなどから交通事故が多発する時期だった。安協活動も町民から十分に理解を得られていたとは言い難く、「安協活動のPRのためにも目に見える活動をしなければ」と一念発起したという。
道路に面する家の多い狩川地区で、「家から出る前には一時停止を」と、仲間と共に民家入り口前に黄色いラインと足のマークを付ける「ストップライン」活動を約2000戸で実施。また、お祭りやイベントの交通整理などにも積極的に協力した。「自分の親のような年代の役員とけんかしながら進めたもんだ」と当時を振り返って笑う。「活動は土日がメインになるので、とにかく人に集まってもらうのが大変だった」とも。
総理大臣表彰の受賞には「安協会長を辞めてからの受賞で驚きはしたが、とてもうれしい。多くの人の協力のおかげ」と喜んだ。
現在も町交通指導員として小中学生の登校時、庄内警察署立川交番前十字路に立って、子どもたちの安全を見つめる。「交通安全活動は見返りが多い活動ではない。今は子どもたちが笑顔であいさつしてくれる。元気をもらえるのは何よりのご褒美。健康なうちは続けたい」と目を細めた。
「趣味と呼べるものはあまりないが、時間ができたら寺院巡りをしたい」と。庄内町狩川の自宅で妻と長男の3人暮らし。70歳。