2022年(令和4年) 10月12日(水)付紙面より
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来春、他の遊佐町内4小学校と統合し閉校する蕨岡小(門崎由紀校長、児童65人)で、半世紀余りにわたり受け継がれてきた「比山(ひやま)体操」を、最後の卒業生になる6年生と保護者らが改めて練習し、将来の伝承機会に備えようという催しが9日、同校で開かれた。
比山体操は、同学区内の杉沢地区に伝わる番楽の一種で、美しくユニークな形や鮮やかな所作で芸術的価値が高いと評価され、国の重要無形民俗文化財に指定されている「杉沢比山」の伝承を目的に、舞の基本動作を組み込んだ体操。1965年に当時の安藤健吉校長が考案した。以来57年間、高学年が低学年に教える形で続いてきた。
この日は、体操着に白い鉢巻き姿の6年生18人と父母ら合わせて約40人が参加。子どもたちは紅葉した鳥海山をバックに記念撮影した後、体育館で体操を実演し、右手で持った扇子を後ろに引き、左手で斜め上を指す杉沢比山の「決めポーズ」などを父母らと共演した。
杉沢比山で3年前から三番叟(さんばそう)」を披露している小野寺琉伊(るい)さん(12)は「1年生の時から比山体操を習っていたので、杉沢比山の動きにもすんなり慣れることができた」と感想を述べた。今回の伝承会を企画した6学年PTA委員長の池田源威(もとい)さん(47)は「蕨岡小最後の6年生として伝統ある比山体操をしっかり受け継ぎ、機会があればこれからの子どもたちに教えてほしい」と伝統継続を呼び掛けた。