2018年(平成30年) 11月16日(金)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)の「松の勧進」が15日、鶴岡市羽黒町の手向地区で始まった。山伏たちのほら貝の音が山里に響き、羽黒山の門前町に冬の訪れを告げている。
松の勧進は、大みそかから元日にかけて羽黒山頂で行われる同神社最大の祭事「松例祭」(国指定重要無形民俗文化財)の浄財を集める伝統行事。9月下旬から100日間の修行を積み、祭りの主役を務める山伏の松聖(まつひじり)2人が小聖(こひじり)を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を納める。
今年の松聖は、位上(いじょう)が田村廣実(山伏名・宏延)さん(68)=手向、先途(せんど)が太田実さん(65)=同。2人は100日修行中、朝夕に勤行を行うなど精進潔斎。現在は羽黒山中の斎館にこもり、後半50日の修行を積んでいる。
この日は小雨が降る中、午前8時半に小聖を従えた松聖2人が同神社社務所を出発し、門前之宮の天地金神社などを参拝。その後、山伏たちはほら貝の音を響かせながら宿坊街の家々を回った。
松の勧進は今月20日ごろまで羽黒地域を中心に回り、来月1日から旧鶴岡市内に入り、年末まで庄内全域を巡る。
2018年(平成30年) 11月16日(金)付紙面より
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出羽商工会(本所・鶴岡市大山、上野隆一会長)は、中国広東省の中山市板芙鎮(ばんふうちん)商工会と中山市ハイテク民営企業協会の2団体とMOU(業務協力)を締結した。今月6日から9日までの4日間、上野会長や代表者6人が中山市を訪問。互いに締結書にサインし、技術協力などを進めていくことを申し合わせた。
中山市は、広東省の中南部に位置する人口約250万人の都市。金属や家具、アパレル産業などが集積している。香港・マカオに近く、取引を進めていく上で条件がいいという。出羽商工会では、中国の中で最も所得水準の高い広東省にあり、インフラ整備も急速に進められていることからビジネスチャンスの可能性を感じ、中山市にアプローチした。
2000年に設立した中山市板芙鎮商工会の会員数は150社。MOUを結んだ李益民副会長は「日本の技術は必要。出羽商工会とのマッチングは非常に興味がある。技術のほかに投資や売買など、今後、具体的なことを提案していきたい」と話した。
一方、中山市ハイテク民営企業協会の林俊宇副会長は「中国はハード面で力をつけてきたが、ソフト面ではまだまだ日本に及ばない。日本企業の強みとなっている企業経営の要諦や長寿企業になるためのノウハウを学びたい」と語った。
出羽商工会では今後、双方の会員企業とマッチングさせ、具体的な技術交流などを進めていきたい考え。同商工会の田澤宏之事務局長は「中山市の2団体と締結できたことは大きな成果。今後、技術交流や販路の拡大などを通じて、出羽商工会会員の経営力と収益力のアップにつなげたい」と話している。