2019年(令和1年) 9月13日(金)付紙面より
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鶴岡市藤島地域をフィールドに社会調査実習を行う大東文化大社会学部の阿部英之助准教授とゼミ学生たちが10日、同市役所を訪れ、皆川治市長に実習に取り組む抱負を語った。
阿部准教授は、前任の東洋大社会学部非常勤講師時代、2017年度まで11年間、東洋大の学生とともに藤島地域で調査実習を実施。この間、約400人の学生が訪れ、中には実習をきっかけに卒業後に鶴岡に移住した人もいるという。
昨年度に大東文化大に社会学部が新設され、准教授に就いた阿部さんが、今度は同大の学生とともに藤島地域の社会調査実習を継続することになった。
調査テーマは、公共交通の空白域の長沼・八栄島地区の地域公共交通、地域活性化に向けた藤島歴史公園、食文化などに関するもので、必修科目の「社会学演習1」を履修する2年生20人がテーマごとに分かれて10―13日に住民参加のワークショップや関係者へのヒアリングなどで調査活動を進めている。
このうち市役所へは阿部准教授と学生8人が訪問。阿部准教授は、鶴岡市出身の漢詩人で大東文化大初代学長の土屋竹雨に触れ、「大学は4年後に創立100周年を迎える。より深く末永く鶴岡と関わり、交流を続けていきたい」と話した。学生たちは「日本唯一のユネスコ食文化創造都市の鶴岡の食文化を調査できるのは貴重な経験。PR手法を研究したい」「長沼・八栄島地区の地域公共交通について、住民主体の運営体制構築に向け調査したい」など抱負を語った。
皆川市長は「地域の課題と解決策を探る実習は、皆さんが社会に出てからも必ず役立つ。多角的視点で地域を見詰めてもらい、学生らしいアイデアをたくさん出してほしい」と期待を込め語り掛けた。調査結果の報告会を来年2月ごろ行う予定。