2005年(平成17年) 8月18日(木)付紙面より
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鶴岡市の家中新町町内会(河井幸夫会長)で16日夕、町の子供たちが防火法被姿で拍子木を手に「火の用心」の夜回りをした。
同町内会では今年4月、町公民館を新築した。それまで公民館としていた大督寺会館からの引っ越し作業の際、ほとんど使用されていない防火法被約80着と、「火の用心 寝る前一度火の点検」「使う火を消すまで離すな目と心」の掛け言葉が記された拍子木8対が見つかった。
いつごろ用意したものかは町内でもほとんど知る人がなく、町内会長を10年ほど務めている河井会長でさえ「10数年前に町内会でつくったらしいという人もいるが全く覚えがない」というものだった。
偶然見つかった法被の利用方法を町内で考えた結果、町内の防火と子供たちの健全育成に役立てようと、防火夜回りを企画。手始めに今年は、子供会(小学生58人)から希望者を募り16、17の両日に限定して町内を巡ることにした。
初日の16日の夜回りには、小学生から幼稚園児の子供約20人と保護者、町内会役員など合わせて約30人が参加した。
子供たちは公民館に集合した後、法被姿で拍子木を打ち鳴らしながら町内約1キロを巡った。子供たちの「火の用心」の大きな声が聞こえると、各家々から住民が出てきては「ご苦労さん」「かわいい法被姿だねぇ」と声を掛けていた。
担当の渋谷修一育成部長は「町の先輩たちがそろえてくれた財産で、子供たちが人のために役立つことをと企画した。今年はテストとして2日間だが、来年以降はもう少し長い期間で行い、代々の伝統にしていきたい」と話した。
防火法被姿で元気に「火の用心」を呼び掛ける子供たち