2006年(平成18年) 9月27日(水)付紙面より
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高齢者交通安全スクールが26日、鶴岡市の太陽自動車学校で開かれ、急ブレーキ操作の体験などを通して事故防止の意識を高めた。
秋の交通安全県民運動(30日まで)の一環として、65歳以上の高齢者ドライバーを対象に、実戦型の体験を通して安全意識の高揚を図ってもらおうと、鶴岡署や鶴岡地区交通安全協会などが企画、実施した。
この日は、同署員や安協などから約30人が参加。はじめに同校管理者の齋藤幸紀さんがパワーポイントを使って「運転免許証を持っていない歩行者が、交通事故の被害に遭っているケースが多い」などと、事故の形態を詳しく説明した。続いて、参加者が2つのグループに分かれ、身体能力を測る適正検査や教習コースで実戦体験を行った。
このうち、実戦体験では、参加者一人一人が指導員とともに教習車に乗り込んだ。道路に立った指導員が赤、白の旗を挙げて、その指示に従い左右進行や停止の判断能力を養う「回避」訓練や、静止距離を確認する「急ブレーキ」、標識の見落としがないか確認する「一時停止確認」などのポイントを体験し、交通安全に対する意識を高めていた。
判断能力を養う「回避」などの体験が行われた
2006年(平成18年) 9月27日(水)付紙面より
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三川町の阿部誠町長は25日、鶴岡市との合併協議に関して「三川中学校の早期改築など町の主要事業が鶴岡市側に受け入れられず、町内でも合併へ賛成、反対を唱える住民の対立構造が深い。これ以上、合併協議を進めることはできない」として、五十嵐慶一町議会議長に辞職届を提出した。今月30日付で辞職する。町長の辞職に伴い、町選挙管理委員会が通知を受けた日から50日以内に出直し町長選が行われるが、阿部町長は「合併反対」の立場で立候補する可能性を示唆した。
阿部町長は同日午前、富塚陽一鶴岡市長のもとを訪れ、辞職と合併協議からの離脱を伝えた。同日午後、町役場で記者会見を開き、「今月、3日間にわたり開いた合併説明会で、住民の間に対立構造が残っていることを感じた。その中で(合併の是非を問う)住民投票条例の制定を求める住民側からは、『住民投票が議会で否決されるなら、町長と議会のリコールも考えている』と発言もあり、一つの大きな判断をせざるを得ないと考えた」と、町内の混乱を収拾できなかったことが辞職の一因と話した。
その一方、「合併協議を重ねる中で三川中学校の改築、庄内中央拠点地区の整備、住民負担の激変緩和などについて主張してきたが、鶴岡市側に受け入れられなかった。こちらから合併を申し出たのだが、町の将来と町民の生活を考え、これ以上合併協議を進めるのは難しいと判断した」と説明した。
また、今後の対応について「後援会に経過を説明し、話し合った上で近日中に結論を出したい」と言明を避けながらも、「(出直し町長選に)立候補する場合、合併反対の立場を取ることになるだろう。これからの町の方向性、行政サービスの在り方を自分なりの方法で住民に伝えていきたい」と立候補への意欲をにじませた。
阿部町長の辞職を受け、齋藤平一郎助役も同日、阿部町長に辞職届を提出し受理された。10月1日からは総務課長が職務代理者に就き、収入役が空席の同町は三役不在の異常事態となる。
三川町を含む庄内南部7市町村は2004年10月、合併協定書に調印した。しかし同月、町議会が合併関連議案を否決し、三川町は合併協を離脱した。その後、合併賛成派の住民団体が町議会の解散を請求するリコール運動を起こし、05年1月に町議会は解散。出直し町議選では合併賛成派議員が多数を占めた。今年1月、阿部町長は富塚市長に合併を申し入れ、7月以降は合併に向けて法定協で協議を続けていた。
辞職表明する阿部誠三川町長