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2007年(平成19年) 6月20日(水)付紙面より

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県「裏金」5件372万円 庄内総合支庁は259万円 84―95年度、カラ出張で捻出

 県庁で使途が明確でない金融機関口座などが見つかった問題で、県は18日、カラ出張や賃金の架空請求などで工面した「裏金」が庄内総合支庁や県立高校などで5件、計372万円分判明したと発表した。資金は交際費や備品購入費のほか、職員の懇親会費や弁当代などに充てられていた。関係書類が残っていないため、「裏金」の総額や詳しい実態は不明。齋藤弘知事は「責任の明確化、(裏金の)返還、再発防止策を検討、実施し、厳正に対処する」と述べ、退職した職員に返金を求めることを含め、返還方法を検討する考えを示した。

 「裏金」として確認されたのは、調査時点の残金にとどまり、年度ごとの捻出(ねんしゅつ)額や詳細な使途と支出額は不明のまま。県が設置した外部委員による公金管理実地調査検証委員会の諸橋哲郎委員長(弁護士)は同日、記者会見し、「証拠が残っておらず、退職者を含めた聴取が中心となった。現時点で取り得る現実的かつ最大の努力を行った」と述べ、全容を解明するのは困難だったとの認識を示した。

 庁内に設けられた調査班が報告書をまとめ、同委員会の承認を得て、齋藤知事に提出した。それによると、「裏金」の存在が判明したのは▽庄内総合支庁総務課(残高259万4722円)▽村山総合支庁総務課(同52万6984円)▽北村山高校(同20万6610円)▽新庄北高校最上校(同22万7464円)▽健康福祉企画課(同17万852円)―の5件となっている。

 このうち、庄内総合支庁(旧庄内支庁)では、少なくとも1984(昭和59)年度から95年度まで、カラ出張で「裏金」を捻出。資金は、96年度までに▽来客の昼食代や宿泊懇談経費などの接待費▽支庁長が出席する会合の会費▽祝儀酒代などの交際費▽机などの備品購入費▽博物館の年会費―などに充てられていた。年間の使用額については、関係職員が、「数十万円」「50万から100万円弱」「100万円以上」などと証言した。96年度以降は「裏金」の捻出は確認されていない。

 村山総合支庁でも83年度ごろからカラ出張で資金を捻出し、交際経費や職員の懇親会費に流用していた。北村山高、新庄北高最上校では、雪囲い外しなどの賃金を架空・過大請求し、実際に支払った額との差額を備品購入などに充てた。

 また、健康福祉課では、90年度から05年度まで、県戦没者追悼式などの式典時に、遺族会や個人が持参した供花料や花輪代などの残金を、職員の弁当代や飲食代に充てていた。
 会見で、諸橋委員長は「裏金」づくりの背景として、「公金を取り扱っているという意識が足りない。予算の使い切り主義、予算執行のチェックシステムの不十分さが共通する」と指摘した。

 県の公金管理の実態調査は、岐阜県庁などで相次いだ裏金問題の発覚を受け、昨年12月から実施。各所属の状況調査で原資や使途が不明とされた現金・口座、全体から抽出した10%相当の現金・口座など計447件、約9億1200万円を対象とし、退職者を含め延べ1500人から聞き取りした。

 その結果、「裏金」が発覚した5件のほか、原資の全部または一部が確認できないものが庄内空港事務所や鶴岡中央高校温海校などで9件(残高計30万3038円)、業者への「預け金」7件(同135万7983円)、事務処理などの改善が必要なものが61件(同1193万1827円)が判明した。



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