2008年(平成20年) 2月5日(火)付紙面より
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「雪の降るまちを」鶴岡冬まつりのメーンイベント「鶴岡音楽祭2008」が2日、鶴岡市文化会館で開かれた。同市出身の作曲家・故佐藤敏直さん(1936―2002年)にスポットをあてエピソードとともに作品を紹介したほか、ピアノに佐藤さんのめいの高梨智子さんを招いた。
この音楽祭は、同市と同市教育委員会、庄内観光コンベンション協会などで組織する鶴岡冬まつり実行委員会(御橋義諦委員長)の主催。鶴岡の冬の思い出をモチーフに、故中田喜直さん(1923―2000年)が作曲した名曲「雪の降るまちを」にちなみ、1985年から毎回、多彩なゲストを迎えて開催し「音楽の街・鶴岡」の冬を華麗に彩っている。
今回は「郷土を愛した作曲家 佐藤敏直―その人と作品」をテーマに開催。佐藤さんは1956年、日本音楽コンクール入選。芸術性の高い楽曲を数多く発表するとともに、豊かな音楽教育のために教材を創作した。鶴岡土曜会混声合唱団の創設に尽力したほか、市内の小・中学校の校歌も数多く作曲。故郷・鶴岡をこよなく愛し地方の音楽文化の振興発展に貢献した。
この日は市民ら約1000人が詰め掛けた。同市の斎小ミュージックベル隊の演奏で幕開け。酒田市出身の工藤俊幸さんの指揮で山形交響楽団が、佐藤さん作曲のオーケストラ曲「星と大地(つち)によせる舞曲」を壮大なスケールで演奏した。
また、高梨さんは、佐藤さん作曲の「ちいさなパレット」より「夢の中で」「鳥たちの悲しみ」などをピアノ演奏。高梨さんは「ピアノ発表会終了後、『どうでしたか』と聞くと、おじからは『へたくそ』と言われた。くやしくていっぱい練習した」など佐藤さんのエピソードを語った。
フィナーレは「雪の降るまちを」「早春賦」をステージと客席が一体となり大合唱、やわらかな旋律が会場を包んだ。
美しいハーモニーなどが披露された鶴岡音楽祭