2008年(平成20年) 12月17日(水)付紙面より
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一般の長ネギより白い部分が多い「軟白ネギ」の出荷が鶴岡市内で本格化し、農家は収穫作業に追われている。
軟白ネギは、露地物の長ネギと違いハウスで栽培される。ある程度成長したところで黒いビニールのフィルムや布で覆い、光を遮断する。こうすることで「白根」と呼ばれる白い茎の比率が高くなる。白根部分は甘みが強く、辛みがないため薬味にも最適。サラダなど生食も可能で、火の通りが早いなどの特徴がある。庄内では約15年前から生産に取り組んでおり、生産者、栽培面積ともに拡大。12月ごろから春にかけ首都圏に多く出荷され、昨年度は庄内全体で産出額1億円を突破した。
鶴岡市馬町の農家で設立した「馬町さくらファーム」では、今月8日ごろから出荷を開始。16日午前中は社員3人がハウス内で伸びたネギの収穫に大忙し。一般のネギよりも折れやすいため、丁寧に抜き取っていた。収穫後は作業小屋で1本ずつ皮をむき、サイズごとに袋詰めして農協に出荷される。
同ファームでは「今年は病害虫の被害が少なく安定した収量が見込めそう。昨年よりも太く、甘くてとてもおいしい」と話していた。
庄内地方の軟白ネギの収穫は来年3月ごろまで続く。
デリケートな軟白ネギを折らないよう丁寧に収穫した=16日、馬町さくらファーム