2009年(平成21年) 3月24日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市黒川の春日神社で23日、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う祈年祭が行われ、能楽ファンが黒川能(国指定重要無形民俗文化財)の奉納舞を楽しんだ。
祈年祭は、11月23日に行われる新嘗祭(にいなめさい)とともに同神社を代表する農耕神事。祝詞奉上に続き、笛や琴の音色に合わせて神官が鍬(くわ)や鋤(すき)で土を掘り返し、巫女(みこ)姿の子供たちが稲を植えるしぐさで農作業の様子を舞い、今年の豊作を願った。
今年の奉納舞は下座が能「嵐山」と狂言「琵琶借」、上座が能「現在鵺(げんざいぬえ)」の計3番。このうち「嵐山」は、勅使の一行が見事な嵐山の桜を眺めていると、「子守」と「勝手」の両神と蔵王権現が現れ、桜の花にたわむれる神遊びを見せ、春を祝福する―という物語。演者たちが黒川能独特の謡と舞を繰り広げ、能楽ファンを魅了していた。
黒川能の奉納舞で、今年の豊作を願った