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2010年(平成22年) 9月14日(火)付紙面より

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開幕は感動のハーモニー 酒田市民芸術祭

 2010年度酒田市民芸術祭(市、市芸術文化協会主催)の開幕式典が12日、同市の希望ホールで開かれ、市の文化振興に功労のあった市内在住の9人が表彰された。式典に引き続き開幕公演も行われ、「音の輪 人の和 はぐくむ豊かなこころ」を主題に、酒田フィルハーモニー管弦楽団と、市内13の声楽団体が美しいハーモニーを館内に響かせた。

 1957年にスタートし、自治体主催の芸術祭としては県内で最も長い歴史を持つ。54回目の今年は、12月下旬までの期間中、ステージ公演や展示など計35の芸術文化関連事業が繰り広げられる。また、八幡、松山、平田各支部でも計13事業(一部実施済み)が行われる。

 この日の開幕式典では、市民芸術祭会長の阿部寿一市長のあいさつに続き、市芸術文化協会功労者表彰を行い、華道、合唱などに携わる9人を表彰。受賞者を代表し鈴木隆さん(合唱)が「これまで芸術文化活動を通し、人生訓が変わるような大きな経験をさせてもらった。今後も心の糧となるような活動をしていきたい」と謝辞を述べた。

 公演は2部構成で行われ、1部は同市出身の活動弁士・佐々木亜希子さんの語り、同楽団の演奏による音楽物語「ピーターと狼」。2部では総勢200人を超える声楽愛好者と同楽団が競演。会場を埋めた観客は大きな拍手を送っていた。

酒田市民芸術祭の開幕式典・公演が行われ、「芸術の秋」が到来
酒田市民芸術祭の開幕式典・公演が行われ、「芸術の秋」が到来


2010年(平成22年) 9月14日(火)付紙面より

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鶴岡を「世界的学術文化都市」へ

 鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(冨田勝所長)の開設10周年記念シンポジウムが12日、同市のマリカ市民ホールで開かれた。「唾液(だえき)でがん診断」「クモ糸の人工合成」など、世界的にも注目されるこれまでの研究成果を振り返るとともに、「山形県・鶴岡市を世界的な学術文化都市に」という研究所が掲げる目標実現への決意を新たにした。

 同研究所は2001年4月、県と旧庄内14市町村が慶應大に働き掛けて開設された。IT(情報技術)を駆使した統合システムバイオロジーという新しい分野の技術を世界に先駆けて確立。生物の全代謝物質を一度に測定できるメタボローム解析技術を基盤に、医療、食品、環境、エネルギーなど多彩な分野で国内外の研究機関や企業との共同研究などで世界をリードしている。

 また、同解析技術の応用を中心にした「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)」、クモ糸の人工合成の「スパイバー」(ともに本社・鶴岡市)のバイオベンチャー企業2社も設立され、知的資源を核にした研究・産業クラスターとして成長しつつある。

 記念シンポは、これまでの歩みを振り返るとともに、市民に分かりやすく先端研の研究内容、事業展開の方向性を伝えようと、先端研が県と鶴岡市の後援で開催。市民ら約350人が参加した。

 主催者あいさつで清家篤慶應義塾長は「鶴岡は致道館に象徴されるように、伝統的に学問を尊び、自然豊かで先端科学を研究するにふさわしい場。各分野で応用が進み、学術だけでなく社会で新しい価値を生み出す源泉にもなっている。これからも県、鶴岡市と一体となって研究成果を発展させつつ、産業創出を通じて地域振興に貢献したい」と述べた。

 冨田所長は研究紹介で、唾液によるがんの診断、藻にバイオエタノールを生産させる技術、「つや姫」やだだちゃ豆など県産農産物の機能性成分の分析など、研究成果を振り返った。研究者や助手として採用している鶴岡中央高の生徒らをステージに上げて紹介。スパイバー社の菅原潤一さんは「近所の人が野菜などをくれるので感謝。ノーベル賞を取るような研究を鶴岡から発信したい」と述べた。

 冨田所長は、欧米の主要な研究拠点が地方都市にあることを挙げ、「2世代(約60年)後には鶴岡をシリコンバレーを上回るまちにしたい。地域の人たちと力を合わせ、学術文化都市を目指したい」と熱い思いを語った。

 続くパネルディスカッションでは、冨田所長の司会で、吉村美栄子県知事、榎本政規鶴岡市長、黒田昌裕東北公益文科大学長、清家塾長、HMT社の菅野隆二社長、スパイバー社の関山和秀社長の6人が「山形県・鶴岡市を世界的な学術文化都市へ」をテーマに意見を述べた。

 経済のグローバル化や低成長時代に日本や地域が生きていく方法について、吉村知事は「中国やロシアを訪問し、日本が資源のない国と実感。共存していくには、科学技術をしっかり育てていくことがわが国の宿命だと思った。ものづくり県の本県でも、科学技術を支えたい」と述べた。また、黒田学長は「社会の問題を解決していくための科学技術という視点が欠かせず、自然科学と人文科学の融合の場が必要」とした。

 ベンチャー2企業が鶴岡を拠点にする理由について、菅野社長は「慶應の隣にあることが大きなアドバンテージ。上場して鶴岡に恩返ししたい」、関山社長は「産学官などの枠組みも重要だが、一番大切なのは『人類のために』といった熱意や気概。鶴岡にはそういう志の高い人がいっぱいいる」とした。

先端研が果たす役割などへの意見が出たパネルディスカッション
先端研が果たす役割などへの意見が出たパネルディスカッション



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