2010年(平成22年) 9月2日(木)付紙面より
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第5回鶴岡市芸術祭の開幕式典が1日、鶴岡アートフォーラムで開かれ、「芸術の秋」到来を告げた。
市町村合併に伴い2006年から旧6市町村の各芸術文化団体と市教育委員会が運営委員会を組織して開催。この日から鶴岡アートフォーラムで始まった白甕社美術展を皮切りに、11月30日まで67団体が47公演を繰り広げる。
式典で、運営委員会委員長の山崎誠助・鶴岡市芸術文化協会長は「発表は規模の大小や技の巧拙を競うものでなく、心を合わせて愛と美の感動を結集し、一歩一歩未来を切り開いていくもの。鶴岡、人間の未来に希望の果てなき歩みを刻んでほしい」と述べた。
その後、山崎さんや榎本政規市長、川村正志市議会議長、運営委員会の関係者ら7人がテープカットし、芸術祭の開幕を祝った。
創立86周年を迎えた白甕社(佐藤定雄委員長)の美術展には、会員99人と一般97人(うち学生20人)の計196人と故人5人の油彩画を中心に、水彩画、彫刻、陶芸など合わせて227点が出品された。
最高賞の白甕社賞には、透明なガラスの器を中心に枯れ枝や貝殻などの静物を描いた小宮山恭子さん(会員、鶴岡市)の「六月の風」、古いビル街から廃材が龍となって立ち上げるような情景を描いた大本幸大さん(一般、東京都)の「Void」の2点が選ばれた。荘内日報社賞には、少女と馬、トカゲなどで心象風景を描いた本間望さん(一般、鶴岡市)の「あいだの結び目」が選ばれた。
来館者は、気に入った作品の前で足を止めじっくり見入っていた。展示は12日まで。
2010年(平成22年) 9月2日(木)付紙面より
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出羽三山神社の「八朔祭」が31日深夜、羽黒山頂で行われ、「秋の峰」で山伏修行を積んだ修験者たちが勇壮な火祭りを繰り広げた。
八朔祭は秋の峰を締めくくる祭り。二百十日を前に暴風雨が吹かないように五穀豊穣(ほうじょう)と国土安泰を願うとともに、修行者たちが新しい生命を得て生まれ変わるための自分の葬儀でもあるとされる。祭りの名称は、旧暦時代に8月1日(朔)に行っていたため。
今年の秋の峰には、全国の20歳から80歳までの162人が参加。8月26日から羽黒山中腹の峰中堂にこもりながら、出羽三山の拝所を巡る山駆けや断食など厳しい修行を積んできた。
この日は午後10時ごろ、修験者たちが出羽三山の開祖・蜂子皇子を祭った蜂子神社前に到着。神事で修験者たち全員の山伏名が読み上げられ、祝詞を唱えた後、神社向かいの護摩(ごま)壇に火が放たれた。
秋の峰を10回以上経験した修験者「度位の新客」たちが長さ約4メートルの棒で護摩壇を突く「火ばし神事」が始まると祭りは最高潮に。境内には修験者の家族やカメラマンらが集まり、力強い祭りに見入っていた。