2011年(平成23年) 7月5日(火)付紙面より
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来年4月に統合し58年の歴史に終止符を打つ酒田市の平田中学校(秋葉忠校長、生徒146人)で2日、山形交響楽団によるスクールコンサートが開かれ、同楽団の伴奏で生徒全員と地域住民ら約100人が、慣れ親しんだ校歌を高らかに歌い上げた。
同校では酒田二中との統合を前に本年度、3回にわたる閉校記念行事を企画。第1弾として創立記念日のこの日を「親子ふれあいの日」とし、創立記念式、親子進路学習会、山響スクールコンサートを開いた。
このうち、地域にも参加を呼び掛けた演奏会は「音楽世界の旅」と銘打ち、映画「八十日間世界一周」のテーマで開幕。続いてグリーグ(ノルウェー)の「ペール・ギュント」第1組曲より「朝の気分」、ベートーヴェン(ドイツ)の交響曲第5番「運命」より第1楽章などを山響メンバー43人が、ある時は迫力いっぱいに、ある時は繊細に演奏し、オーケストラの奥深い魅力を披露した。
弦、木管、金管、打楽器それぞれの音色、特徴などを学んだ後、山響の伴奏で校歌を参加者全員で斉唱。長い歴史を振り返るとともにこれまでの感謝を込め、声高らかに歌った。最後に山響がビゼー(スペイン)の歌劇「カルメン」より前奏曲や「闘牛士の行進」などおなじみの曲を演奏した。
生徒を代表し、ともに3年生の宇佐美俊明君(14)が「素晴らしい演奏をありがとう。身近で生の演奏を聞き感動した。校歌を歌うのも今年度が最後。今日は山形交響楽団の伴奏で歌えて、いい思い出になった」とお礼、生石美夏さん(14)が指揮者の佐藤寿一さんに花束を贈った。
これを受け、会場からの大きな拍手に応え、山響がヨハン・シュトラウス2世(オーストリア)作曲のポルカ「観光列車」をアンコール演奏。快活な曲で最後の年度を迎えた同校にエールを送った。