2011年(平成23年) 11月11日(金)付紙面より
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中国や韓国、ロシアなど対岸諸国の経済発展をわが国の成長に取り込みながら日本海側各港湾の役割の明確化などを図るため、国土交通省が公募していた日本海側拠点港に、酒田港が選ばれる見通しになった。リサイクル貨物を扱う「機能別拠点港」としての位置付けで、11日に正式発表される。県の酒田港戦略会議メンバーなどとして選定に向けた運動を強力に展開してきた新田嘉一東方水上シルクロード貿易促進協議会長は「こんなにうれしいことはない」と感想。酒田港を核にした本県の経済活性化に弾みがつくとの考えを示した。
日本海側拠点港は、港湾管理者(酒田港は山形県)が、これから特に強化を図るべき機能を選択した上で、その機能を発揮するために必要な方策などを含めた将来計画を提案する形で応募。その計画を同省の検討委員会が評価し、それを基に国交相が選ぶ。応募対象は酒田港など26港で、8月に応募者がプレゼンテーションを行った。
酒田港の関係者は昨夏の重点港湾指定を「新たなスタートライン」(吉村美栄子知事)と位置付け、さらなる活性化を目指して昨年11月に「酒田港戦略会議」「酒田港振興会議」を設立。
県は、その後の両会議で出た意見や、酒田港が2003年にリサイクルポートに指定され取り扱い貨物が順調に伸びていることなどを踏まえ「国際海上コンテナ」と「リサイクル貨物」の2部門で応募した。このうちリサイクル貨物に関しては、能代港(秋田県)との連名で提案した。
最終的に全国23港が応募。「総合的拠点港」に新潟、博多など5港、国際海上コンテナ輸送や定期旅客といった分野ごとの「機能別拠点港」に酒田をはじめ、秋田や舞鶴(京都府)、小樽(北海道)など21港(重複を含む)、拠点港としての育成を後押しする「拠点化形成促進港」に能代など4港が選ばれることが固まった。選定により岸壁整備予算の重点配分や規制緩和などが見込まれる。