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荘内日報ニュース


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2011年(平成23年) 12月13日(火)付紙面より

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元気いっぱい表現 鶴岡・幼児音楽フェス 踊りや演奏披露

 県鶴岡幼児音楽研究会(渡辺成孝会長)主催の「幼児音楽フェスティバル」(鶴岡市、荘内日報社後援)が11日、鶴岡市文化会館で開かれ、市内の5保育園の園児たちが日ごろの音楽活動の成果を発表した。かわいらしいダンスや演奏に、会場を埋めた保護者や家族が大きな拍手を送った。

 「音楽を通して美しい心を育てよう」を理念に、各保育園が取り組んでいる音楽活動の成果を発表する場として、同研究会を構成する旧市内の民間保育園と、上部団体の東日本幼児音楽研究会が毎年この時期に開催している。

 26回目の今回は、民田、栄、湯田川、常念寺、田川の2―5歳児192人と職員合わせて約230人が出演。民田保育園の石澤奏一君と五十嵐璃莉さんが「踊りや太鼓、合奏を一生懸命練習してきた。春に大きな地震があったが、僕たちはここ鶴岡から友達と一緒に笑顔と元気を届けたい」と元気に開会の言葉を発表した。

 ステージ発表は民田保育園の「せかいでいちばんつよいのは?」で幕開け。民話「ねずみのよめいり」を元気な踊りや演奏、組み体操などで表現した。他の保育園もかわいらしいそろいの衣装を身に着け、「アンパンマンのマーチ」や「カートゥーン ヒーローズ」、「宝島」、「勇気100%」など人気アニメや映画の主題歌を踊りや演奏、群読などで次々と発表した。また、各保育園の職員が「マル・マル・モリ・モリ!」「BELIEVE」の合同演奏を披露した。

 会場を埋めた園児の家族たちは、音楽に乗って元気いっぱいにステージを動き回る子供たちに大きな拍手を送っていた。

保育園児が音楽に合わせて元気いっぱいの踊りや演奏を発表した
保育園児が音楽に合わせて元気いっぱいの踊りや演奏を発表した


2011年(平成23年) 12月13日(火)付紙面より

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クラリネット奏者集う 震災から9カ月チャリティーコンサート

 田川地区の中高生と一般のクラリネット奏者によるチャリティーコンサート「クラリネットワールド・イン・ツルオカVol.2」が11日、鶴岡市錦町のエスモール光の広場で開かれた。重厚な響きから軽快な音色までさまざまな演奏が繰り広げられ、会場を埋めた観客から大きな拍手が送られた。

 コンサートは、昨年まで山形交響楽団のクラリネット奏者として活躍した牧慎一さん(鶴岡市在住)が発起人代表となり、田川地区吹奏楽連盟や音楽仲間に開催を呼び掛けた。同楽団在籍中、公演で太平洋側の各県を何度も訪れた牧さんは被災地の惨状に心を痛め、「少しでも被災地の支援になれば」とチャリティーコンサートを企画したという。今年4月の鶴岡まちなかキネマ以来2回目のコンサートで、3月11日の東日本大震災発生から9カ月目となる12月11日を開催日とした。

 この日は田川地区の中高校の吹奏楽部メンバーや社会人奏者など合わせて約60人が参加。各校のクラリネット・アンサンブルを中心にしたプログラムが組まれ、「弦楽四重奏曲ヘ長調」や「ピアノソナタ『悲愴』」などが披露された。

 大震災が発生した午後2時46分、モーツァルト作曲の「アヴェ・ヴェルム・コルブス」を出演者全員で演奏。会場にクラリネットの柔らかな音色が響き渡り、聴衆はうっとりと耳を傾けていた。

 この他、高校生たちの楽しいパフォーマンス演奏やサックス演奏なども行われ、会場を沸かせた。最後は再び出演者全員で「神の御子は今宵しも」「きよしこの夜」といったクリスマスソングや「ふるさと」など4曲を披露した。会場には募金箱が設置され、親子連れなどが募金していた。後日、全額を被災地へ寄付するという。

午後2時46分、牧さん(左中央)の指揮で出演者全員が「アヴェ・ヴェルム・コルブス」を演奏
午後2時46分、牧さん(左中央)の指揮で出演者全員が「アヴェ・ヴェルム・コルブス」を演奏


2011年(平成23年) 12月13日(火)付紙面より

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森の時間47 ―山形大学農学部からみなさんへ―

外来種バスターズ 林田 光祐

 大山下池のほとりを歩いている方は気づかれていると思いますが、都沢湿地に水路や歩道が整備されました。これから自然学習交流館も着工し、いよいよ庄内自然博物園構想が実現の第一歩のところまで来ています。

 この構想の柱は、湿地や池や森林などの自然のフィールドです。せっかく多くの子供たちや市民の皆さんが学びや遊びに来ても、自然環境が荒れてしまっていては魅力的なプログラムにはなりません。大山のこの地域は森と池と湿地が隣接する恵まれた立地なので、潜在的には多様な生き物でにぎわうはずですが、現在は必ずしも本来の豊かな自然環境とはなっていません。

 その原因のひとつと考えられるのが外来生物です。外来生物とは外国や国内の他の地域から人によって持ち込まれた生き物のことです。農作物の多くも外来生物であり、有益なものもあるのですが、人の管理のもとから逃れて野生化し、元からいる在来の生物たちの存在を脅かして、自然を壊してしまう恐い存在になってしまう生き物を侵略的外来種と呼んでいます。その代表種が北米原産のウシガエルとアメリカザリガニです。

 アメリカザリガニは今や最も身近な水辺の生き物のひとつとしてあげられるだけでなく、年配の方が子どもの頃からいたなじみ深い生き物です。しかし、そんなに危険だと聞いたことがある方は少ないでしょう。それもそのはずです。実は最近わかってきたことなのです。

 日本の池や湖の生態系をめちゃくちゃに壊した侵略的外来種と言えばブラックバスが有名です。魚や昆虫などあらゆる水生動物を食べてしまうため、各地で在来の魚や水生昆虫が絶滅の危機に瀕し、駆除活動が実施されました。そんな中で、ブラックバスを駆除したらアメリカザリガニが激増し、さらにトンボ類や水草類が消失して駆除前よりも悪化するケースも出てきたのです。これは、ブラックバスの出現でこの池の生物相が単純になってしまったところに、その後アメリカザリガニを食べるブラックバスを駆除したため、アメリカザリガニが急増してしまい、それまで目立たなかったアメリカザリガニの生態系への悪影響が深刻化してしまったのではないかと考えられています。

 ウシガエルとアメリカザリガニもこれと似たような関係にあります。そのため、都沢湿地ではウシガエルとアメリカザリガニを一緒に捕獲して取り除く活動を2年前から続けています。この外来種バスターズの目標は、両種が侵入する以前のように多種多様な在来の水草や水生昆虫、トンボ類が生息する自然環境をよみがえらせることですが、外来生物によって一旦切れてしまった在来の生き物たちの絆をつなぐことは容易ではありません。

 しかし、少しでも以前の生き物たちのにぎわいを取り戻すためには地道にこの活動を続けることが大切です。時には捕獲したカエルやザリガニの美味しい料理を楽しみながら、今の時代にあった人と自然との新たな絆を多くの皆さんと一緒に築いていきたいと思います。来年の春が待ち遠しい!

(山形大学農学部教授、専門は生物多様性の保全を主とした森林生態学)

来年の春を待つ都沢湿地=自然写真家・斎藤政広(2011年11月17日撮影)
来年の春を待つ都沢湿地=自然写真家・斎藤政広(2011年11月17日撮影)



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