2012年(平成24年) 3月31日(土)付紙面より
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酒田市の酒田中央高校音楽部(前田孝夫顧問)のミニコンサートが29日、同市中町三丁目の介護老人保健施設「ひだまり」(菅原保施設長、入所100人)で開かれ、優しい弦の音色が会場いっぱいに響き渡った。
同校音楽部は、バイオリンやチェロなどで構成する県内の高校では珍しい弦楽奏団。定期演奏会などのほか校外でも積極的に演奏しており、「ひだまり」はこの5年で5回目。同校は4月、同市内のほか3校と統合して酒田光陵高校となるため、酒田中央高校音楽部としてはこの日が最後の活動。1、2年生部員計10人全員が、前田顧問の指揮で、ナースステーション前に車いすで集まった入所者約70人を前に息の合った演奏を披露した。
部長の阿蘓春花さんが「最後の訪問演奏になる今日のために練習してきた。春にぴったりの曲がたくさんあるので、楽しんでほしい」とあいさつ。ホルスト作曲の「ブルックグリーン組曲」で開幕した。続いて「川の流れのように」「さくら さくら」「春よ来い」「早春賦」を演奏。また、トーンチャイム演奏で「ふるさと」などを披露し、「早春賦」を入所者全員で歌った。
アンコールに応えて「さくら さくら」などを再演奏。お年寄りたちも大きな声で歌い、楽しいひとときを過ごした。入所者は「感激して涙が出た」「うれしい。学生のころを思い出した」などと感想。代表のお年寄りが「美しい音楽をありがとう」と述べ、お礼として生徒たちにお菓子をプレゼントした。