2012年(平成24年) 4月14日(土)付紙面より
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鶴岡市三瀬で12日、地区の鎮守・気比神社(石塚志郎宮司)の例大祭が行われ、若衆たちが威勢良く跳びはねながら神輿(みこし)を担ぎ、地区内を巡った。
約1300年前の霊亀2(716)年創建と伝えられる歴史ある神社。保食大神(うけもちのおおかみ)を祭り、例大祭では五穀豊(ほう)穣(じょう)や地区の平安を祈る。
今年の頭屋は佐藤富男さん(58)=豆腐店経営、加藤保さん(58)=公務員=の両家。紋付きや振り袖など晴れ着に身を包んだ両家や氏子総代ら約100人が行列を仕立て、午前10時半ごろに神社を出発。午後4時ごろまで丸一日をかけ、集落内を練り歩いた。
重さが約320キロある神輿は、要所で跳びはねて担ぐのが習わし。宮入り直前の目抜き通りでは白装束に烏帽子(えぼし)を着けた20、30代の若衆12人が「はいはい、はいはい」と威勢良い掛け声とともに、100メートルほどを飛びはねては戻ることを10回ほど繰り返した。青空が広がる春らしい陽気の中、沿道を埋めた見物客は「頑張れー」と盛んに声援を送っていた。
共に初めて神輿を担いだという石塚裕典さん(20)=会社員=は「憧れだったが、こんなにしんどいとは思わなかった。三瀬に活気が出ればうれしい」、石塚慶さん(34)=三瀬地区自治会事務局長=は「重いが、楽しい。若者同士の交流が減っていたので、絆を深める良い機会になる」と、息を弾ませながら話していた。