2012年(平成24年) 12月11日(火)付紙面より
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師走の鶴岡に福を招く「大黒様の御歳夜(おとしや)祭り」が9日、鶴岡市の中心商店街で行われ、市内の大黒舞の5グループで希望の商店で門付けで舞い、にぎわいを呼び込んだ。
「大黒様の御歳夜」は12月9日、大黒様の掛け軸などを掲げ、ハタハタや豆尽くしの料理を食べ、商売繁盛や子孫繁栄を願う庄内地方の伝統行事。「祭り」はこうした伝統を中心商店街のにぎわいづくりに生かそうと2005年から、市内のNPOや商店街関係者らと実行委員会(渡部正芳代表)をつくり続けている。
この日は同市山王町の山王日枝神社(お山王はん)で神事を行い、藤沢、朝日、金峰神社、第二学区、藤島民謡会の5つの大黒舞グループがそれぞれ奉納演舞。引き続き、2―7人の各グループに分かれ、門付けを希望した市内の8商店街の計27カ所で舞った。
本格的な雪となったため、多くの店では大黒様に扮(ふん)した舞い手たちを店内に招き入れ、舞ってもらった。
同市山王町の小売酒販店経営、佐藤和子さん(78)は「日曜日は普段、休みだが、今日はこれが来るので店を開き、楽しみに待っていた。にぎやかにしてもらって心が浮き浮きしてくる。とてもうれしい」と話した。
また、山王町の五十嵐陶器店の「蔵ギャラリーゆい」では、鶴岡食文化産業創造センターが御歳夜の行事食に関するワークショップを開催。市内の旅館の女将らが講師となり、黒豆ご飯やハタハタ、焼き豆腐の各田楽、黒豆なます、納豆汁、米いりなどの料理のいわれなどを説明、試食した。