2012年(平成24年) 12月19日(水)付紙面より
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酒田市の西荒瀬小学校(工藤健一校長)で17日、5年生児童16人がハタハタの人工授精に挑戦した。児童たちは校内に設置した水槽で成長の様子を観察していく。
海洋生物の保護や環境教育を行っているNPO法人・みなと研究会(守屋元志代表理事)のハタハタ増殖の調査研究の一環。同校は2009年シーズンから、同法人の産卵床製作に協力したり、酒田北港西護岸にハタハタの壁画を描くなどの体験活動を繰り広げている。人工授精体験は、児童から命の尊さを知ってもらうとともに、地元の海に生息する生物に理解を深め故郷を愛する心を養ってもらおうと、同法人と同校が09年から企画している。
この日は、守屋代表理事ら法人会員4人が水揚げしたばかりのハタハタ数十匹を持参し同校を訪問。最初に守屋代表理事が「雌から取り出した卵塊(ブリコ)に、雄の腹にある生殖突起から出る白子をかける。1つのブリコに3、4匹の雄の白子をかけて」と授精の仕方について解説した。
その後、児童たちは4班に分かれ、ブリコを取り出したり、白子をかける作業を体験。児童たちはまず、ぬるぬるしたハタハタをつかむのに悪戦苦闘。それでも頭と尾を持ってブリッジさせるように雌からブリコを取り出した後、雄の白子を次々とかけた。
また、ブリコ、白子を取り出した後のハタハタを水の張ったバケツに戻すと、その泳ぐ姿に「すごい」と歓声を上げていた。守屋代表理事によると、順調にいけば来年2月中旬ごろにふ化する予定という。放流サイズになった段階で海に放すことにしている。