2013年(平成25年) 5月31日(金)付紙面より
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鶴岡の郷土料理や行事食などのレシピ集「つるおかおうち御膳」に載っている料理を、市内の各地域の女性たちから学ぶ料理教室が30日、市中央公民館女性センターで始まった。年間を通じ6回シリーズで開く第1弾で、羽黒地域の女性たちから「ごま豆腐」「ミズのたたき」などを習った。
「おうち御膳」は、鶴岡の食文化を後世に伝えようと、市食育・地産地消推進協議会と市食生活改善推進協議会が連携して発刊。海、山、川、平野の多様な食材を使った157品を紹介している。2010年9月の第1刷から今年3月の第6刷まで計1万8300冊を発刊する“郷土のベストセラー”となっている。
料理教室は、こうした人気を踏まえ、市中央公民館女性センターが初めて企画。来年3月まで計6回、市食生活改善推進協議会の6つの支部ごとにメンバーを講師に招き、各季節の食材を使った料理を指導する。
初回のこの日は、市内の女性24人が参加。同協議会羽黒支部役員の安藤幸子さん(手向)、渡部文子さん(山荒川)、菅原典子さん(赤川)の3人から、「ごま豆腐」「ミズのたたき」「孟宗(もうそう)汁」など4品を習った。「ゴマはよくするほどおいしくなる。レシピも大切だが、『手あんばいと回数』が大切」などアドバイスを受けながら、楽しそうに取り組んでいた。
同市末広町の主婦、高橋昭子さん(64)は「『おうち御膳』は東京の友達が欲しいというので、10冊ほど送った。年を重ねると、故郷の味が恋しくなるようだ。今日は自分が覚え、そんな友達に教えてあげたいと思って参加。責任重大」と笑った。
市政策推進課食文化推進室では同レシピ集について「通常の料理本と異なり、地域の食文化を伝える内容。親に習わずじまいだったという人でも、これを見て懐かしい味を再現できるなど、頼りになる点が受けているようだ」とみている。
次回は8月上旬に「イカのモンペ焼き」などを作る。参加者はその都度、市広報などを通じて募集する予定。
2013年(平成25年) 5月31日(金)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学(町田睿学長)の学生たちが、インターネット上で酒田の地域情報を広く発信する「地域ポータルサイト」の作成に挑戦している。地域活性化に向けた取り組みで、現在は市街地を回って情報を収集中。指導する公益大の広瀬雄二准教授(情報科学)によると、今年8月の前期終了時までに形を仕上げ、年内のサイト開設を目指すという。
この取り組みは、市民参加型の街づくりを進めているNPO法人「酒田みなとまちづくり市民会議」(高橋英彦理事長)が中心となり、市、市商工会議所、市商店街連合会などと共に推進している「酒田Wi―Fiタウン化計画」の一環。同計画は、公衆無線LANを広く街中に普及させて独自の情報発信を展開することで、買い物客や観光客らの利便性の向上を図り、にぎわいを創出しようというもので、2011年からスタートした。
同法人は今回、地域ポータルサイトと、利用者が大幅に増えているスマートフォンやタブレット型端末向けアプリの構築を企画。同法人の渡部芳久副理事長は「これらの機器を使うのは若者が多い。サイト開設やアプリ開発には若者の視点・感覚が必要で、学生たちに声を掛けた」という。
活動には、「公益社会演習」履修者、スマートフォン向けアプリの開発に取り組んでいる情報系サークル「SKIP(Shonai Koeki Information Project)」のメンバー計約20人が参加。29日に渡部副理事長、酒田商工会議所サービス部会の加藤明子副部会長の案内で中心商店街を回ったほか、店主から話を聞いたり、映画館「グリーンハウス」、フランス料理店「ル・ポットフー」などの支配人として活躍した同市の実業家・故佐藤久一さんらについて理解を深めた。
参加学生の一人、4年の田中美穂さん(21)は「サイト開設・アプリ開発を通し、地域活性化、各店への集客につなげられたら」と話していた。広瀬准教授によると、年内のサイト開設後、少なくとも3年間はカリキュラムとして継続、サイト内の情報を充実させていく方針という。