2013年(平成25年) 9月27日(金)付紙面より
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「鶴岡産ソバ」の知名度アップに向けた「蕎麦(そば)のお花見カフェ」が25日、鶴岡市宝谷地区の棚田で行われた。地区の生産者やそば店主らが、白い花が満開となったソバ畑を眺めながら、地元産ソバ粉を使ったさまざまなスイーツの試食など、ソバ尽くしのカフェを楽しんだ。
鶴岡産ソバをブランド化しようと、つるおか農商工観連携総合推進協議会(会長・榎本政規市長)が、宝谷そば生産組合(森薫組合長、組合員35人)、市内のそば店組織「庄内そば麦きり研鑽(けんさん)会」(森村孝雄会長、加盟23店)などと連携して初めて実施。3組織の関係者ら約50人が参加した。
提供されたのは、宝谷産ソバ粉を使ったパンケーキやクッキー、プリン、アイス、まんじゅうなど和洋のスイーツや総菜約10種と、そば茶に牛乳を加えた「そば茶オーレ」などの飲み物。鶴岡食文化創造都市推進協議会の鶴岡食文化女性リポーターたちが作ったもので、「アイスはソバの実を低温でローストし、大人の味に仕上げた」など1種ずつ解説された。
庄内平野を見下ろす棚田のソバ畑は、やや見頃を過ぎたものの、白い花が満開。バイオリン奏者の小林誠さん(同市日吉町)がジャズ調の「枯れ葉」などを演奏する中、参加者は眼下に広がる白い花畑を眺めながら、山里の秋を満喫していた。
宝谷そば生産組合の森組合長は「地区の耕作地60ヘクタールのうち、今年は約半分の28ヘクタールにソバを作付け。米より手間が掛からないが、価格が安定しない。若い人がやりたくなるように頑張りたい」、庄内そば麦きり研鑽会の森村会長は「地元産ソバは、生産者の懸命な取り組みで味が良くなっており、少しずつでも利用を増やしたい」と話した。
他のそば店主からは「地元産の味は悪くないが、製粉や管理、供給面でまだ課題もある」という指摘も挙がった。
農商工観連携総合推進協議会は地元産ソバの消費拡大に向け、11月には生産者とそば店主らによる新そばの試食会を開く。また、10月下旬から11月上旬に宝谷、越沢、田川、朝日の4地区で開かれる新そばまつりにスタンプラリーを導入し、連携してPRする。