2013年(平成25年) 9月18日(水)付紙面より
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NPO法人の「豊かな海の環境をめざすおけさ会」(粕谷雅昭代表)は15日、鶴岡市三瀬の県栽培漁業センターでクロダイの稚魚の標識付け作業(腹びれ切除)と、庄内浜での放流活動を行った。
同会は庄内一円の釣り愛好者で約40年前に設立し、磯釣り大会などの活動を行ってきた。2005年にNPO法人となって以来、海の環境や漁業資源の保全などを目的に、庄内浜での清掃活動、クロダイの放流などに取り組んでいる。
今回の標識放流活動は、県の「水産多面的機能発揮対策事業」の委託を受けて実施。会員と家族の小学生など約20人が参加した。会員によると、「目印が入った稚魚が大きく成長し、釣り人の針にかかった場合に生態や育成状況の指標となる」という。
初めに、今年6月に同センターでふ化したばかりの稚魚(体長約5センチ)の右腹びれを切除する作業が行われた。魚類専用の麻酔を効かせ、バケツやたらいに入れた稚魚を1匹ずつ丁寧にはさみで腹びれを切り取った。
温海小5年の和田純一君(10)は「麻酔が効いているうちはおとなしいけど、すぐに元気になる。作業は飽きるけど大きく育ってほしい」と話していた。
この日は1万匹の切除作業を行うとともに、半数の5000匹を同市温海と鼠ケ関の2カ所で放流した。残り5000匹は今月19日に温海小、20日に五十川小の児童たちが行う放流体験学習で海に放される。
2013年(平成25年) 9月18日(水)付紙面より
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来春の新規高卒者を対象にした就職採用試験が16日、全国一斉に解禁された。7月末現在の県内就職希望者の求人倍率は、県全体では0・97倍と近年にない高い水準となり、全般的に高校生の選択肢は拡大したものの、鶴岡地区の求人の伸びは県平均に比べ鈍く、今後の推移が注目される。
全国高等学校長協会と日本経済団体連合会などの協定に基づき、9月15日以前の採用試験を禁止している。連休明けで実質的に初日となった17日、鶴岡市本町一丁目の荘内銀行本店では、庄内地方の高卒予定者を対象にした1次面接と適性試験が行われ、4人が受験した。午前9時半からの面接に先立ち、高校生たちは女性行員から緊張した表情で説明を受けていた。
同行では一時期、高卒者の採用を取りやめていたが、2008年度から再開。本年度は18日に山形市で実施する試験と合わせ、10人程度の採用を予定。人事部の担当者は「近年では多い方。人材育成の体制と働きやすい環境を整備しており、高卒者にも長く勤め戦力になってほしい」と話した。
山形労働局の7月末現在のまとめによると、来春の新規高卒者のうち就職希望者は1・7%減の3039人。うち県内就職希望は1・9%減の2302人。これに対する県内求人は31・1%増の2240人で、求人倍率は0・97倍と高い水準になっている。
一方、同じ数字を庄内地方で見ると、酒田公共職業安定所管内は就職希望者が前年同期比0・2%減の442人。うち県内希望は2・1%増の238人。これに対する県内求人は36・4%増の382人で、求人倍率は1・61倍。
同職安では「求人は、緩やかながら景気回復の兆しがうかがえる。建設業が早いうちから動き、製造業も上向きとまではいかないが、新工場を立ち上げる企業などから2桁台の求人が出ている。全般的に、若い人材を育成しようという流れが出ている」とみる。
一方、鶴岡公共職業安定所管内は就職希望者が前年同期比7・3%減の549人。うち県内希望は6・6%減の367人。これに対する県内求人は23・7%増の266人で、求人倍率は0・72倍。
同職安では「大きな求人があまり出ていないこともあり、他地域に比べると低迷しているように見えるが、前年比では伸びている。一般求人も伸びており、引き続き声を掛け求人を開拓していく」としている。