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荘内日報ニュース


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2014年(平成26年) 6月10日(火)付紙面より

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光陵高生が指導 ものづくり挑戦

 酒田市の「サイエンス発明教室」が7日、同市の県立酒田光陵高校(阿部進校長)で開かれた。同校生徒たちの指導で、市内一円の小・中学生がオリジナルキーホルダーや腕時計、ラジオなどを製作、「ものづくり」の楽しさを味わった。

 この教室は、クオーツ式腕時計を世界で初めて開発し、日本の精密機械工業の礎を築いた世界的な技術者で同市名誉市民の中村恒也さん(91)=長野県諏訪市=が、「子供たちがものづくりに興味を持つような教育に役立ててほしい」と願い、生まれ故郷の酒田市に贈った寄付金をもとに創設された「中村ものづくり基金」を活用し、2005年から開かれている。

 この日は市内の小学4年生から中学生まで計77人が参加。開講式に続き、▽低融点合金を使ったキーホルダー作り▽LEDイルミネーション回路作り▽電子回路の仕組みを学ぶラジオ作り▽マグネシウム電池で動かすデジタル時計作り▽オリジナルアプリ制作―の6コースに分かれて実習した。講師から「はんだごてが熱くなる。気を付けて作業するように」などの注意を受けた後、「お兄ちゃん先生」たちに助けてもらいながら、配線などに取り組んでいた。

 参加者の一人、池田啓人君(11)=南平田小5年=は、イルミネーション回路作りに挑戦。「はんだ付けを初めてやった。かなり楽しい。また参加したい」と感想を述べた。指導した同校電子機械科3年の白旗伸也君(17)は「最初は違う箇所にはんだを付けていたが、素直に修正するなど教えがいがあった。教えていて楽しい」と話していた。

「お兄ちゃん先生」の指導ではんだ付けをする児童たち
「お兄ちゃん先生」の指導ではんだ付けをする児童たち


2014年(平成26年) 6月10日(火)付紙面より

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年金支給日前に園児が啓発活動

 6月の年金支給日(13日)を前に、鶴岡市内の金融機関2カ所で9日、振り込め詐欺などの被害に遭わないよう幼稚園児がお年寄りに呼び掛ける啓発活動を行った。

 鶴岡警察署と鶴岡地区金融機関防犯協会が実施。同署によると、県内の今年1月から4月末までの振り込め詐欺などの特殊詐欺事件の被害額は約8700万円で、うち65歳以上の被害が約7100万円と8割を占める。発生件数も昨年より増加傾向で、レターパックなどで現金を送らせる手口が多いという。このため、年金支給日(偶数月の15日)を前に、孫世代の園児の協力でお年寄りの心に響く活動をしようと企画した。

 この日は同市内の荘内銀行本店と鶴岡信用金庫本店の2カ所で、近くのマリア幼稚園の年長児24人が二手に分かれ、それぞれ保護者も協力して実施。このうち荘内銀行本店入り口では、園児がパネル文字で「レターパックで送金は詐欺」「不審電話があったら♯9110」のメッセージを掲げながら唱和。来店したお年寄りに園児がクッキーを手渡したり、保護者が啓発チラシを手渡した。

 同署生活安全課では「特殊詐欺事件は身近に起きている犯罪で、ちょっとした声掛けで防ぐことができる。レターパックで現金を送ることはできず、周りの人もお年寄りがだまされないように声掛けしてほしい」と話していた。

金融機関を訪れたお年寄りにクッキーなどを手渡し詐欺被害に遭わないよう園児が呼び掛けた=荘内銀行本店前
金融機関を訪れたお年寄りにクッキーなどを手渡し詐欺被害に遭わないよう園児が呼び掛けた=荘内銀行本店前


2014年(平成26年) 6月10日(火)付紙面より

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森の時間77 ―山形大学農学部からみなさんへ―

森の真上で愛をさけぶ 小山 浩正

 このエッセイの文末には著者の専門分野が添えられます。私の場合は「ブナ林をはじめとする生態学」。これが、ちょっと恥ずかしい。森の専門家という立場ではあるのですが、私が直接この目で見ているのはせいぜい地上から数メートル程度です。でも、実際に芽吹いて、花が咲き、新緑が顔を出すのは遥か上方です。森のテッペンを「林冠」と呼ぶのですが、そこでは今まさに初夏の生き物で賑わっているはずです。「はずです」としか書けないのは、この目で見たわけではないからで「どんなふうに?」と聞かれると弱いのです。

 林冠に行きたい!この切なる願いは業界人には共通らしく、近頃は林冠の研究が流行っています。特に、熱帯林では地上数十メートルに通路を渡して、間近で観察するのが盛んです。そこでは新種の生物も見つかるので「林冠は人類に残された最後のフロンティアだ」と表現した人もいます。そして、私がずっと憧れていたのは高所作業車。そう、電線工事で使われているアレです。アレならいろんな樹を上から下まで舐めるように見て回れそうだと思いませんか。

 そんな思いが通じたか、昨年ついに農学部に導入が決まりました。優秀なわが演習林のスタッフがたちまち免許を取得してくれました。ところが、それから搬入までが大変。何かにつけ粗忽な私は、車両購入の算段に必死になるあまり、いざ納車が決定すると「いったい、どこに格納するんだ?」という落語みたいな間抜けな難題に悩まされたのです。上名川の演習林の格納庫では冬に出せない。では、高坂の農場に置かせてもらうか?それには道路の補強が必要で、そんな予算はもちろん無いと言われ、若葉町の学生寮の横もダメ…と、なんだかオスプレイの配備さながらの紆余曲折の末、結局、農学部の正門横の立派な格納庫に納まりました。これで、いよいよ思い切り乗り回すぞと思った矢先、昨年夏のあの豪雨です。林道があちこち崩れて現場に入れなくなってしまいました。あぁ、何事もままならない。それでも、近場のブナ林で地上十数メートルの枝にアクセスして実験材料を手に入れて、なんとか卒論調査ができました。当該学生が、実は高所恐怖症だったのにも意表を突かれましたが、本格的に稼働するだろう今シーズンは研究も飛躍的に進むでしょう…たぶん。

 研究だけでなく、イベントにも使えないかと夢は膨らみます。森を上から見下ろす体験は滅多にできません。ですから森歩きのベテランにも新鮮な光景をお見せできるはずです。ディズニーシーはあってもディズニーフォレストはない。ならば、山大演習林で新しい森の娯楽を提供できないか?林冠を遊びながら学ぶ「林冠学校」を密かに企んでいます。たとえば、高所作業車で限界まで上がるとちょっと怖い。「吊り橋効果」と言って、怖い体験を共有した男女は恋に落ちやすいとか。「森の婚活」にも使えるかも『世界の中心』でなく『森の真上』で愛をさけぶのはいかが?

(山形大学農学部教授 専門はブナ林をはじめとする生態学)

高所作業車を使った林冠調査 農学部演習林にて
高所作業車を使った林冠調査 農学部演習林にて



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