2015年(平成27年) 1月15日(木)付紙面より
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酒田市の平田保育園(小柳美恵子園長、園児95人)で14日、地域の小正月行事「なし団子作り」が行われ、園児たちが餅をついてミズキの枝に紅白餅の団子を付け、伝統の心に触れた。
なし団子(餅花、団子木)は小正月に五穀豊穣(ほうじょう)を願って作るもので、同保育園では南平田コミュニティ振興会(三浦正昭会長)が昨年度から、地域の子供と大人との交流を目的にした体験イベントとして始めた。
この日は3歳以上の園児70人が参加。昨年と同様に、同市山元の旧阿部家(市指定文化財)で伝統行事を継承している「旧阿部家の四季を楽しむ会」の長谷部善也会長(89)=同市砂越緑町=を講師に迎えた。
長谷部さんは「昔は餅がお年玉だった。6歳になったから6つともらった。米の調製(脱穀)が1月1日には終わらず、お金がなかった。2月1日を小正月の元日とし、15―20日にいろいろな行事をした。なし団子はその一つで、米がどっさり取れるようにと神様に供えた」と背景を説明した。
その後、園児たちが「ヨイショ」と元気な掛け声で紅白の餅合わせて2升(約3・5キロ)をつき、直径3センチほどの団子に丸めてミズキの枝に付けた。長谷部さんから「田んぼの水に不自由しないようにミズキに付けた」などの話を聞きながら、子供たちは高い枝に背伸びしたり、和気あいあいと取り組み、昼食にはみんなで雑煮ときな粉餅で会食した。