2015年(平成27年) 8月1日(土)付紙面より
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国土交通省東北地方整備局新庄河川事務所が鶴岡市荒沢で工事を進めている笹根トンネルの貫通式が30日、現地で行われた。赤川流域の砂防堰堤工事に伴い国と道路を管理する県が合併施工で県道鶴岡村上線の改良工事として新設しているもので、県道への付け替え工事などを行い、開通は2016年度中を予定している。
笹根トンネルは大鳥地区に通じる現笹根隧(ずい)道(どう)の南側に新設。延長665メートル、幅員7メートルの2車線。同事務所が赤川上流部で行っている砂防堰堤工事を進める上で、朝日地域の国道112号と大鳥地区を結ぶ同県道の一部で幅員が狭く隧道の高さも低いことなどから、同事務所と県庄内総合支庁が1997年に協定を結び、建設費をそれぞれ負担する合併施工で改良工事を進めてきた。
事業全体の工区は大鳥と荒沢の2工区の計約3キロ。既にトンネル2本と橋脚4本の改良を終え、笹根トンネルが最終段階。同事務所によると、全体の事業費は約72億円、うち昨年4月に着工した笹根トンネル建設事業費は約16億円。
この日はトンネル下流側の貫通点付近で貫通式が行われ、国、県をはじめ施工業者、地元地区住民ら約70人が出席。貫通点に塩と酒をまいて清める儀式などを行った後、新庄河川事務所の田村圭司所長が「各地で土砂災害が頻発する中、砂防堰堤工事は一日も早い完成が望まれる。今後も無事故で開通を迎え、地域の安心安全に寄与していきたい」とあいさつ。
来賓祝辞で齋藤稔県庄内総合支庁長は「地区住民の通勤・通学の生活を支える社会資本として、一日も早い完成を」、榎本政規鶴岡市長は「大鳥地区の観光の面からも地域活性化の起爆剤になるものと期待している」とそれぞれ述べた。その後、鏡開きで貫通を祝い、今後の工事の安全を願った。