2015年(平成27年) 4月1日(水)付紙面より
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鶴岡のシルク産業を紹介する展示会が、酒田市の庄内空港ビルで開かれている。鶴岡中央高校の生徒が手掛けたシルクのドレスや小物などが展示され、訪れた人に鶴岡シルクの魅力をPRしている。
鶴岡織物工業協同組合(氏家昇一理事長)と鶴岡中央高、鶴岡市などが進める「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」の一環。養蚕、製糸、製織、精練、捺染(なっせん)、縫製とシルクに関わる全工程が残る鶴岡の特色ある地域性を県内外にアピールし、関連産業の活性化を図ることが狙い。
展示したシルク製品は、同校総合学科家政科学系列被服系の生徒たちが作った純白に輝くウエディングドレスなど合わせて13着をはじめ、カイコが繭を作る際に最初に吐き出すキビソを使ったストールやバッグ、スリッパなどの製品が並んだ。そのほか、同校美術・デザイン系列が製作した鶴岡シルクを紹介するポスターや看板なども併せて展示されている。
展示は4月2日まで。
2015年(平成27年) 4月1日(水)付紙面より
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鶴岡青年会議所(JC、吉宮哲史理事長)の公開例会が29日、鶴岡市総合保健福祉センターにこ・ふるで開かれ、オーガニックコットン(無農薬有機栽培綿)製品の企画製造販売などを手掛けるアバンティ(本社・東京都新宿区)代表取締役の渡邊智恵子さんが「自分にしかできない仕事がある」と題して講演した。
渡邊さんは1952年、北海道斜里郡生まれ。明治大卒業後、外資系の光学機器の会社に勤め、85年に子会社のアバンティを設立。社会起業家のパイオニアと評され、2010年には目覚ましい活躍をした女性たちを表彰する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」のリーダー部門を受賞。東日本大震災の被災地復興支援として女性たちに働く場所を提供しようと、オーガニックコットンの生産工場を起こすプロジェクトなどを展開している。
県内は共働き率が全国トップクラスだが、女性の管理職・役職の割合は他県より低いという現状の中、女性が働くということについてあらためて考えようと、鶴岡JCが一般公開セミナーの形で「HAPPYワーキング!輝くわたしになるために」をテーマにした例会を開催。若い女性を中心に、市民やJC会員ら約80人が参加した。
講演で渡邊さんは、世界の綿花栽培は遺伝子組み換えの種を用い、薬剤で葉を枯らして収穫するのが一般的だと説明し、「地球環境を守るためにも循環型農業を残すべき」と訴え、地球環境保全と社会貢献を目的にオーガニックコットン栽培に乗り出した理由を紹介。「アバンティの基本理念は『敬天愛人』。売り手よし、買い手よし、周りよしに、作り手よしを加えた『四方よし』を行動基準にしている」と述べた。
被災地復興のコットンプロジェクトで、被災地の女性たちが作った帽子とスヌードが、ソチ冬季五輪で日本代表選手の着用品に採用されたことを紹介し、「採用は奇跡だった。道のりは大変だが、思いは必ずかなう」と強調。「震災から4年が経過し、関心が薄れている。福島をはじめ被災地の人々に思いをはせ、みんなで福島を忘れないでほしい」と呼び掛けた。
講演に引き続き、荘内銀行接遇インストラクターの須佐恵美さんによる「マナー講座」があり、働く女性たちがコミュニケーション術を学んだ。