2016年(平成28年) 5月1日(日)付紙面より
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鶴岡市田川の八幡神社(鈴木寿和宮司)の例大祭が29日、同神社と周辺地区で行われた。田川地区全域の小学生に参加を呼び掛けたことで数十年ぶりに子供みこしが復活。みこしパレードの間は雨も弱まり、子供たちが担いだみこしを見ようと大勢の住民が集まった。
田川地区の八幡神社は奈良時代の700年代、現在の大机地区に創建されたと伝えられる。その後、坂野下地区に移り、平安末期の1090年ごろに現在の地へ移築されたという。例大祭は、田川地区の宮野前、中里前、蓮花寺、水沢地区の行司免など各集落の氏子が参加して毎年行われている。
子供みこしは同神社の氏子が住む地域約1キロを子供たちがくねっていたが、少子化の影響などで廃れてしまった。今回、田川地区全域の小学生や地元の田川保育園などに子供みこしの参加を呼び掛けて復活。「20年ぶりに見た」という集落もあり、中には「30年余りやってなかった」と話す住民もいた。
この日は午前9時半ごろ、同地区内でみこしパレードが出発。この日は朝からあいにくの雨模様だったが、パレードの間は小雨となった。保育園児から小学6年生まで約60人が3基のみこしを分かれて担ぎ、約1時間かけて八幡神社まで地区内をくねった。「ワッショイ、ワッショイ」と子供たちの明るい声に誘われるように保護者や地区住民が家から外に出て見物していた。
みこしの担ぎ手として参加した長谷川蒼空(そら)さんは「地元の祭りでみこしを担いだのは初めて。友達と一緒だったのでとても楽しかった」と笑顔を見せていた。
みこしが神社に到達した後、午前11時から拝殿で祭典が行われ、祝詞奏上や獅子舞、玉串拝礼などの神事のほか、地元の若衆がみこしを担ぎ境内を回って場を清めた。