2016年(平成28年) 5月5日(木)付紙面より
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鶴岡市家中新町の汁物と在来野菜を提供する店「荘内藩しるけっちぁーの」で3日夜、料理講座「しるけ塾」が開かれ、同店も含めたアル・ケッチァーノグループを率いる奥田政行シェフが旬を迎えた孟宗(もうそう)のゆで方や新しい孟宗料理を実演。「目からうろこ」の調理法で参加者を楽しませた。
この日は地元をはじめ酒田市や秋田県などから家族連れを含め幅広い年代の約20人が参加。奥田シェフは地物の湯田川と谷定産の孟宗を使い、地質の違いによる扱い方の違いなどについて説明。一般的に米ぬかやトウガラシを入れるとされるゆで方も、岩塩を入れてあくを出し、5分程度ゆでて氷水に引き上げるとほくほくのトウモロコシの味になると実演しながら説明した。
タケノコご飯はだしで炊いたご飯にしょうゆを掛けて味を調える方法や、魚のあらでだしを取ったスープと孟宗のゆで汁を使った澄んだ味わいの孟宗スープなどをその場で調理しながら振る舞った。このうちタケノコご飯は生卵、粉チーズ、サンショウ代わりに山菜「コシアブラ」の葉先を刻んだものを混ぜ、イタリアンに味を変化。参加者は奥田シェフの楽しいトークとともに、化学的な理論にのっとった新しい調理法を熱心にメモを取っていた。
秋田県から訪れた女性2人組は「秋田も孟宗文化があるが、これまではぐつぐつと長くゆでていたので、奥田シェフの調理法は新鮮。おいしかったので家でもやってみたい」と話した。
この日はプライベートで鶴岡を訪れていた都内のイタリア料理の名シェフ、日高良実さんらも会場に顔を出し、参加者を驚かせていた。
しるけ塾は、本紙発行のフリーペーパー「敬天愛人」で隔月掲載(奇数月)している海藤道子シェフのレシピ紹介とともに、食材について理解を深め、料理を学ぶ場として不定期に開催。今回で3回目。