2016年(平成28年) 8月28日(日)付紙面より
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鶴岡市芸術祭のトップを切る白甕社美術展が27日、鶴岡アートフォーラムで開幕し、出展者の個性あふれる力作が訪れた人たちを楽しませている。
今年の美術展には会員96人と一般78人から203点(内2点は遺作)が出品された。作品は油彩・水彩・日本画、工芸、彫刻などさまざま。
最高賞の白甕社賞は新澤純一さん(会員、同市大宝寺)の「碧海」(F100号2枚)と、工藤信芳さん(一般、埼玉県草加市)の「アフリカの十字架」(P100号)が受賞した。また、荘内日報社賞には佐藤珠さん(会員、鶴岡市双葉町)の「釜場」(F100号)が選ばれた。
会場には山や海など身近にある景色を切り取った風景画や人物画、静物画、抽象画など見応えのある作品がずらり。訪れた人たちは作品の前で足を止め、じっくりと鑑賞していた。
展示は6日まで。時間は午前9時半から午後6時半(入館は午後6時、最終日は午後4時)まで。
2016年(平成28年) 8月28日(日)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)の山伏修行「秋の峰」が26日、出羽三山を舞台に始まった。国内外の164人が「擬死再生」の荒行に挑んでいる。
同神社の山伏修行は、出羽三山の開祖・蜂子皇子による羽黒古修験道を受け継ぐとされる。「秋の峰」は羽黒修験の四季の峰のうち、一般に公開された最大級のもの。今年は国内は北は北海道から南は福岡県まで、オーストラリアからの参加を含め、18―77歳の男性が入峰(にゅうぶ)した。
初日の26日、山伏の装束に身を包んだ一行は、正午すぎに手向地区の下宿(明光院)を出発。途中の神社で笈(おい)に新しい生命を宿すとされる儀式「梵天投じ」を行った後、随神門から石段を登り、拝所で唱え事をしながら羽黒山頂を目指した。
いつもは残暑の厳しい中の峰入りとなるが、この日は国宝五重塔近くで土砂降りの雨に。同神社によると、修行中は基本的に着替えはできず、紺色と白地の摺(す)り衣を脱いで乾かせる程度という。修行者たちはかっぱをまとっても全身ずぶぬれになりながら、羽黒山頂を目指していた。
修行は来月1日まで7日間、羽黒山中腹の吹越籠堂に寝泊まりし、一汁一菜の食事や月山など山々を巡る「山駆け」、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」などの行に挑む。
一方、羽黒山荒澤寺正善院(羽黒町手向・島津弘海住職)の「秋の峰」は24日から始まり、県内外から男性46人、女性15人が修行に参加。明治初期の神仏分離政策、修験道廃止令によって国内の修験道の伝統が消滅していく中、唯一残された仏地として受け継ぐ修行が行われている。