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2017年(平成29年) 1月29日(日)付紙面より

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展示再開目指し基金設立 鶴岡市 アマゾン民族館

 2014年3月に閉館した鶴岡市のアマゾン民族館(出羽庄内国際村併設)とアマゾン自然館(月山あさひ博物村の一角)で展示、保存していた資料約2万点の再公開に向けて「アマゾンコレクション保護・夢基金」が設立され、広く企業や個人に募金を呼び掛けていくことになった。所有者でアマゾン研究家の山口吉彦さん(75)らが27日に同市内で記者会見。山口さんは「散逸させないで公開することで子どもたちに夢を与え、研究者も育ってくれれば」と思いを話した。

 山口さんと、妻の考子(なすこ)さん(72)夫妻が1970年代にアマゾン奥地のインディオ集落で調査研究するなどして収集したもので、アマゾン自然館は1991年、アマゾン民族館は94年に開館。ワシントン条約で国際取引が禁止される以前の貴重な動物の剥製や昆虫、インディオの生活用具などで、現地の急速な開発によって先住民の生活様式が失われた中、貴重な文化資源となっている。

 市の行財政改革の一環で14年に両施設が閉館した後、活用してもらえる研究機関や博物館を探したが、民族関係のみや生物関係のみといった回答が多く、「分散では意味がない」とする山口さんの思いと合致する機関がなく、受け入れ先探しが難航。閉館後3年間は民族館の展示スペースでの保管を認めてきた市との申し合わせ期限も迫っていた。

 そうした中、考子さんの知人で米沢市在住の元保育士、松田亮子さん(55)が「地球の財産として未来永劫(えいごう)残していきたい」と奔走。遺贈などの基金設立を事業としている公益財団法人「公益推進協会」(東京都)の福島達也代表理事(51)に相談。趣旨に賛同する人たちに寄付を呼び掛ける「マイ基金」を立ち上げることにし、昨年10月にアマゾン夢基金を設立した。

 「新しい出発のめどが立った」(考子さん)として記者会見したこの日は、山口さん、福島代表理事、松田さんの3人がそれぞれの思いを説明。基金設立の立役者の松田さんは「博物館を建て、移動キャラバン車で全国を回り、夫妻の経験や情熱を子どもたちに伝えたい」。山口さんはピラニアに手をかまれて8時間に及ぶ神経をつなぐ手術をした話などを交え、「命懸けで集めた資料。一点一点に思い出がある。若い世代が触れて、イメージを膨らませ現地に足を運ぶようなきっかけにしてほしい」と話した。

 市は来年3月末まで保管期間を延長。山口さんらは基金の目標額を1億5000万円とし税制優遇がある企業などに寄付を呼び掛けていくという。基金の寄付申込書は公益推進協会=電03(5425)4201、http://iva.jp/kosuikyo/kifu_amazon.pdf=のホームページからダウンロードできる。

貴重な動物や鳥類などの剥製を手にし、「一点一点に思い出がある」と話す山口さん=アマゾン民族館
貴重な動物や鳥類などの剥製を手にし、「一点一点に思い出がある」と話す山口さん=アマゾン民族館

「アマゾン夢基金」設立について記者会見する写真左から福島代表理事、山口さん、松田さん
「アマゾン夢基金」設立について記者会見する写真左から福島代表理事、山口さん、松田さん



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