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荘内日報ニュース


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2017年(平成29年) 12月16日(土)付紙面より

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運転免許返納者、65歳以上の運賃1割引き 高齢者の外出サポート

 高齢者の外出を支援しようと、県ハイヤー協会鶴岡支部(柿崎裕支部長)は今月1日から、運転免許証返納者と65歳以上の人を対象にした運賃1割引きサービスを始めた。サービスは同支部に加盟する鶴岡田川地区の14社で受けられ、鶴岡支部は「割引サービスを利用して、高齢者から外出を楽しんでもらえれば」と話している。

 同支部やバス事業者、行政などでつくる鶴岡市地域公共交通活性化協議会(会長・山口朗副市長)が意見交換した際、「公共交通は乗り方が分からない」「運賃負担が大きい」といった声が上がった。同支部は、自家用車依存度の高い状況から、安心安全な公共交通の一つとしてタクシー利用への転換、また冬場など自家用車の運転に不安がある場合の使い分けなどにより、高齢者が気軽に外出を楽しめる交通環境づくりにつなげようと、サービス開始を決めた。同支部が運賃の一部を負担することでタクシーを利用しやすくし、高齢者の事故防止にもつなげる。

 サービスを受ける際には、乗車時か各社への申し込みが必要。所定の申込用紙に記入の上、運転免許返納証明書、運転免許証や健康保険証など年齢を確認できる書類を添付して申し込むと、サービスを受けられる「身分証」が発行される。次回以降は、この身分証を提示するだけで運賃が1割引きとなる。小型の場合、現行の初乗り運賃(1・5キロまで)は690円、加算運賃90円となっている。

 柿崎支部長は「割引サービスは各社の持ち出しとなるが、高齢者の外出サポートという社会的なニーズに対応したいと考えた。高齢者の外出機会を増やし、元気になってもらえるよう気軽にタクシーを利用してもらえれば」と話し、サービス利用を呼び掛けている。

 運賃1割引きサービスを行っている鶴岡支部の14社は次の通り。

 ▽鶴岡市=大和交通、庄交ハイヤー、ハイヤーセンター、出羽ハイヤー、羽黒タクシー、落合自動車、湯田川温泉自動車、湯野浜観光エアポートタクシー、八乙女観光自動車、温海温泉観光自動車、庄内タクシー▽庄内町=余目タクシー、ハーディタクシー、立川タクシー


2017年(平成29年) 12月16日(土)付紙面より

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年賀はがき受け付け始まる

 2018年用年賀はがきの引き受けが15日、全国一斉にスタートした。庄内地方の各郵便局にも多くの人が訪れ、年賀状を投函(とうかん)した。

 鶴岡市山王町の鶴岡郵便局(伊藤久樹局長)では午前8時50分から引き受けセレモニーが開かれた。伊藤局長は「来年は戌(いぬ)年なので“ワン”ダフルな年賀状を大勢の人に送ってください」と呼び掛けた。

 続いて同市の松原保育園(高橋奈津園長)の年長児24人が童謡「北風小僧の寒太郎」を合唱し、「郵便屋さん、配達頑張ってください」とエールを送った。代表園児2人が代表職員へ年賀状を手渡すと、職員は「預かりました」「配達に行ってきます!」と声を掛けた。その後、特設ポストへ園児一人一人が年賀状を記念投函した。

 局内に設置された特設ポストには訪れた市民が束にした年賀状を次々と投函。戌年にちなんで先着50人に「アメリカンドック」がプレゼントされた。

 同郵便局では今年、高校生アルバイト約20人を雇用。年末年始休みに入る25日ごろから作業に加わり、元日の配達に向けて「年賀態勢」が本格化する。管内の来年の年賀状の配達は前年に比べて約7万5000枚減の210万5000枚を見込んでいる。元日配達される年賀はがきは25日が投函期日。

代表園児が職員に年賀状を手渡した
代表園児が職員に年賀状を手渡した


2017年(平成29年) 12月16日(土)付紙面より

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森の時間119 ―山形大学農学部からみなさんへ―

ヒトの心に 生き続けられるか 小山 浩正

 映画の『たそがれ清兵衛』では、どう考えても丹波哲郎さんだけ庄内弁を喋れていなかった気がするのですが、地元の方の判定はどうなのでしょう?その丹波さんが、ショーン・コネリーと共演した異色の映画が『007は二度死ぬ』でした。ただし、ジェームズ・ボンドでなくとも人はみな二度死にます。最初はもちろん生物としての死です。では、二度目の死とは?それは、その人の記憶がこの世から完全に消えた時です。例えば、あなたもいつか生物として死にます。この時点では、あなたはまだ知人の記憶にあるので二度目の死は迎えていません。しかし、時が流れるにつれて知り合いも徐々にいなくなるわけで、ついに最後の一人が逝った瞬間に第二の人生も終了です。それ以降の世界で私を知る人は誰一人いません。この世からの永遠の消滅。ちょっとぞっとしませんか?

 実は、樹にも二度の死があります。高舘山の山頂付近に巨大なブナの木がありました。残念なことに2004年の台風で力尽きました。山道を登り切って、ちょうど一息入れたい所で迎えてくれたので、この木の死を悲しんだ方は多かったのではないでしょうか。でも、彼(彼女?)には第二の人生があります。幹はゆっくり朽ちますが、そこには虫が棲み、それを鳥がついばみ、コケむしたり、キノコが生えたりして無数の生き物が亡骸(なきがら)をしゃぶり尽くすように利用します。こうしてブナ爺は他の命の礎(いしずえ)となり、亡骸の最後のかけらが消えるまでしばらく第二の人生を送ります。最近では、こうした枯れ木の第二の人生が「生態系サービス」の一つとして見直されています。

 では、こうした樹体を木材として横取りする林業は二度目の人生を奪う残酷な営みなのでしょうか?実は、そうともいえません。確かに、紙にしてすぐに燃やすなら、あっという間の死刑宣告に等しいですが、材木として長く利用するなら、自然に土に還るよりもむしろ長寿が保証されます。例えば、法隆寺は、再建されたといえ、いまだ世界最古の木材建築なので、そこに使われた木も長い命を得たといえます。自然に朽ちるより遙かに長命です。羽黒山の五重塔もそうした恩恵に浴した木です。長く使えば、その間は炭素を貯留して大気への放出を食い止めることにもなります。利用の仕方次第でむしろ第二の死をぐっと遅らせることができるし、その恩恵が私たちにも戻ってくる仕組みなのです。

 「彼は死んでなんかいない。あなたの心の中にいつまでも生き続けている」そんなおきまりの映画のセリフに、若い頃はしらけていました。「心の中に生きる」なんて馬鹿らしいとしか思えなかった。「生は生だし、死は死」。今だってそうは思いますけど、年を重ねるごとに、なぜか、このセリフが心にしみるようになってきます。たとえ一人でもいい、誰かの記憶に深く生き続ける、そんな生き方でありたい。

(山形大学農学部教授 専門はブナ林をはじめとする生態学。筆者は昨年3月に急逝されました。原稿は生前に寄稿していただいたものです)

ブナの朽ち木に発芽したブナ一年生」=1991年5月29日、朝日連峰・大鳥池、斎藤政広撮影
ブナの朽ち木に発芽したブナ一年生」=1991年5月29日、朝日連峰・大鳥池、斎藤政広撮影



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