2017年(平成29年) 9月27日(水)付紙面より
ツイート
県教育委員会が庄内地方への開設を検討している中高一貫校について、鶴岡市内に設置する方針を固めたことが分かった。7年後の2024年度までに鶴岡南高校と鶴岡北高校を統合し、さらに県立中学校を新設して新たな中高一貫校を設置する。統合する両校の敷地や校舎を活用する案が浮上している。近く県議会に説明する。
鶴南、鶴北の両校を統合する高校は普通科と理数科で計7学級程度、中学校は2、3学級程度を見込んでいる。中学校の生徒は県内全域から募集する。県立中高一貫校は、16年度に開校した東桜学館(東根市)に続いて2例目となる。
県教委は09年にまとめた県立中高一貫教育校設置構想で、併設型中高一貫校を基本に内陸と庄内地区へのモデル校設置を打ち出した。これを受け鶴岡市は、市の重要要望事項に盛り込むなどして同市への中高一貫校設置を要望してきた。庄内5市町で設置要望を表明しているのは、同市だけ。
一方、県教委は13年3月に策定した県立高校再編整備計画で、田川地区の中学校卒業者数の大幅な減少を踏まえ、普通科を2校に集約するなど24年度までの田川地区8校の再編整備の方向性を示した。こうした高校再編とセットにした形で、鶴南、鶴北の統合による中高一貫校の設置方針を固めたとみられる。
田川地区の高校再編整備に関しては、鶴岡南山添校は鶴南、鶴北の統合を前に募集を停止する見通し。さらに複数の学校を統合した上で、既存の実習施設も活用する「校舎制」の学校運営形態も検討していく。
2017年(平成29年) 9月27日(水)付紙面より
ツイート
鶴岡市長沼地区の特産品として栽培されている「マコモダケ」の収穫が始まった。タケノコやアスパラガスに似た食感でほのかに甘味のある野菜で、地元の直売所で販売されるほか、東京のレストランなどにも出荷している。
マコモダケはイネ科の水生植物「マコモ」の花芽に黒穂菌が寄生し根元がタケノコ状に肥大したもの。2メートル以上に伸びた草丈の根元部分を食べる。長沼地区では長沼温泉「ぽっぽの湯」のリニューアルに合わせて新たな特産品として導入し、13年目。くせのない味で中華や洋食などどんな料理にも使えて人気がある。
藤島地域では長沼を中心に生産者4人が「長沼マコモタケ部会」(板垣久喜代表)を組織して生産。このうち板垣代表(70)=鶴岡市長沼=の水田の一部を使った8アールのほ場では、5月2、3日に460株を植栽。寒暖の差が大きい方が生育はよく、例年より1週間ほど早く今月8日から収穫が始まった。
青空が広がった22日午後は、黄金色に染まった稲に囲まれたほ場で、2メートルほどの草をかき分けて根元が白く膨らんだものを収穫。板垣さんは「毎日見回って収穫適期のものを出荷する。手作業なので手間はかかるが、地元のレストランや湯田川温泉の旅館などからまとまった注文がある。少量の油で炒めて塩・コショウするだけ、また生で食べてもおいしい」と話していた。
マコモダケは長沼温泉「ぽっぽの湯」併設の農産物直売所を中心に販売。収穫時期は長く、今年は来月20日ごろまでを見込んでいる。