2018年(平成30年) 3月30日(金)付紙面より
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格安航空会社(LCC)のエア・リージョナル・ジャパン(東京、平賀清一社長)が、庄内空港と成田、関西の両空港とを結ぶ新たな定期便の就航を計画していることが分かった。同社は2020年春の就航を見込み、庄内―成田、庄内―関空の2路線で、それぞれ1日2往復の運航を目指している。航空運賃は庄内―成田の片道で数千円から1万2000円程度を想定している。
エア・リージョナル・ジャパンは昨年11月に設立。同社によると、20年春から庄内、秋田の両空港と成田、関空の間に、いずれも1日2往復の運航を計画。庄内、秋田に続いて米子空港(鳥取県)などへの就航も視野に入れ、日本海側に地域航空のネットワークを拡大する考え。
使用する機材は現段階では、欧州の航空機メーカー・ATR社製の70席程度のターボプロップ双発機の導入を予定している。
今後、国土交通省から定期航空運送の許認可を得るための手続きを進める。庄内など就航を予定する地域の関係者に出資の呼び掛けを行う方針で、庄内地域の関係者に対しても就航に関する説明会を開きたいとしている。
庄内―羽田の東京便は現在、全日空が1日4往復運航している。搭乗率が高く、曜日や便によってはチケットが取りにくいなどの状況がある。地元では5便化やダイヤ改善、運賃の引き下げなどを要望しているが、羽田空港の発着枠確保は困難な現状にある。一方で、成田空港と都心間の交通アクセスの利便性が向上していることもあり、ビジネス需要だけでなく観光誘客対策としてのLCCの就航を望む声も上がっていた。
エア・リージョナル・ジャパンは「高速交通網の中で、庄内での航空ニーズは高い。地域の理解を得て、地域活性化に役立ちたいと考え、2年ほど前から構想を固めてきた。地域の人々が利用しやすく、観光客やインバウンドの誘致にも役立つ路線にしたい。庄内での説明会も可能な限り早いタイミングで行いたい」と話している。
2018年(平成30年) 3月30日(金)付紙面より
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酒田市本町一丁目の古家(ふるや)家(古布と手作りの店「祥風庵」)で、江戸時代初期に作られた「寛永風びな」や、同中期とみられる「享保びな」をはじめとした貴重なひな人形約120体が展示されている。旧家などが所蔵するひな人形を巡るイベント「春色の酒田雛(ひな)街道」実行委員を務める工藤幸治市芸術文化協会長(酒田あいおい工藤美術館長)の強い勧めで実に60年ぶりに飾ったもので、その愛らしさが訪れた人たちを魅了している。
古家家は、江戸時代末期から昭和時代初期にかけて主に米穀商として財を成し、大正―昭和時代には先祖が酒田米穀取引所仲買人に名を連ねていた。工藤会長が昨年、同イベントでの展示に向け旧知の古家家現当主、古家裕さん(67)と共に家屋内の押し入れに入っていた茶箱、ひな箱の中から「貴重で優れたひな人形」(工藤会長)を見つけた。
「私が上京する前、昭和30年代前半まで母が飾っていた。帰郷したものの、どう飾ったらよいか分からなかった」(古家さん)ことから今回、工藤会長が飾り付けをサポートした。
江戸時代初期に作られたとみられる「寛永風びな」は男びなの烏帽子と顔、首が一体化しているのが特徴。紅花染めなどあでやかな色合いが残る衣装に身を包んだ「六歌仙」、丸々とした顔立ちをした次郎左衛門風の「五人囃子(ばやし)」、烏帽子、冠を除いて男びなが48センチ、女びなが34センチとかなりの大きさを誇る古今びななど、貴重な人形たちが所狭しと並ぶ。
また、古家家に伝わる庄内押し絵や手遊び人形も展示され、訪れた人たちは時がたつのを忘れるかのように見入っていた。古家さんは「旧家に残るひな人形はその家の歴史といえる」と。工藤会長は「愛好家必見の古典人形。実行委員として20年ほど雛街道に関わっているが、市内の旧家にはまだ貴重な古典びなが残っているはず。これからも説得力のある『宝物』を発掘したい」と話した。古家家の展示は4月10日(火)まで、「―雛街道」は同3日(火)まで。