2018年(平成30年) 5月13日(日)付紙面より
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鶴岡市出身の大相撲元幕内、大岩戸(36)=本名・上林義之、八角部屋、幕下=が11日、東京の両国国技館で師匠の八角親方と共に会見し、引退を発表した。引退届は同日付で日本相撲協会に提出し、5月場所は全休となる。14年余にわたる土俵生活に幕を閉じる大岩戸はこの日、「今はやり切った気持ち」とすがすがしい表情を見せた。
大岩戸は加茂水産高、近畿大卒。近畿大4年時の2003年には全国学生相撲選手権大会の個人戦で優勝、学生横綱のタイトルを獲得した。翌年春、八角部屋に入門し、3月の春場所で初土俵を踏んだ。05年の夏場所で初の十両昇進。当時、庄内出身の関取誕生は鳥海龍(遊佐町出身)以来11年ぶりだった。
その後はけがの影響もあって幕下転落と十両復帰を繰り返した。11年9月場所を勝ち越して5回目の十両昇進を果たし、以降は十両に定着。中でも翌12年3月場所には千秋楽まで十両の優勝争いに加わり、10勝5敗の好成績を挙げた。13年1月の初場所は9勝を挙げて、同年3月場所で新入幕を果たした。
翌14年1月の初場所に幕下に陥落したが、昨年の5月場所では7戦全勝で優勝を決め、36歳での幕下優勝と戦後最年長記録も作った。八角親方から教えを受けた押し、突きの相撲を得意としてきた。
この日会見に臨んだ大岩戸は、引退理由としてけがや年齢による体力の衰えを挙げ、昨年の幕下優勝後に、「腕の骨にひびが入っていることが分かり、力が入らなくなった。残念だった」と明かした。学生横綱での角界入りを「プレッシャーになっていた」と振り返り、冗談めかして「学生横綱になってなけりゃよかったかな」と会場の笑いを誘う場面もあった。地元のファンに対しては、「負け越した時も地元の方からは諦めずに温かく応援してもらい、ありがたかった」と感謝の言葉。
八角親方は「真面目な性格で一生懸命頑張った」とねぎらうとともに「けががもとでの引退は残念。もう少し頑張れたとも思った」と惜しんだ。
断髪式は6月9日(土)、両国国技館で行われる。引退後は神奈川県横須賀市の一般企業に就職するという。
父親の上林哲弥さん(65)と母親の孝子さん(65)は11日午後、鶴岡市藤の花二丁目の自宅で、テレビに映る引退会見の様子を見守った。会見に臨む息子の姿を見て「本人には寂しさと安堵(あんど)の気持ちがあると思う」と哲弥さん。「本人にはお疲れさまでした、との言葉を伝えたい。指導してくださった親方へのお礼をはじめ、地元後援会の支えに感謝の思い」とした上で、「人生80年。これからの人生が長い。人とのつながりを大切に、また一からはい上がっていってほしい」とエールを送った。自宅には大岩戸の全取組の映像がテープなどで保管されているといい、「これから整理したりで、忙しくなるね」と2人は寂しそうな笑顔を見せた。
2018年(平成30年) 5月13日(日)付紙面より
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酒田市内を歩いて探索する「ぶら探酒田」の本年度第1回が12日、市中町にぎわい健康プラザ前(中町モール)発着のコースで行われた。「ここにあり!商人の町酒田」をテーマに、市民が市観光ガイド協会員の案内で中心部を散策、酒田の魅力を再発見した。
より多くの市民からあらためて酒田の良さを知ってもらおうと、酒田商工会議所が、ガイド協会、湊町さかた探検隊(隊長・温井亨東北公益文科大教授)の協力で2015年度から実施しているウオーキングイベント。4年目となった今年も8月を除く11月まで月1回、第2土曜日に開催。ルートは全て同探検隊員が策定している。
この日は、きれいに晴れ渡り、心地よい風が吹く絶好の探索日和となり、市民ら約150人が参加。中町モール大屋根下の水遊び施設で噴水の上がる様子を見学した後、伊勢両宮社前に立つ名残の松、市道路元標(げんぴょう)など酒田らしい景観を見て回った。
参加者は、ガイド協会員による「伊勢両宮社(中町一丁目)は酒田大火後に移築した。以前は天満宮近くにあったらしい」「道路元標のある箇所には以前、飽海郡役所があった」といった案内に聞き入り、酒田について理解を深めた。齋藤光也さん(64)=同市旭新町=は15年5月の初回から1回も欠かすことなく参加。「18回連続。健康に自信がなかったため、歩きたいと思って毎回参加している」と話した。
次回は6月9日(土)で、テーマは「発見!『新井田川の知られざる事実?!』」。前田製管本社ビル川向かい駐車場を出発し亀ケ崎城跡、山居倉庫、河岸八丁などを歩く。スタートは午前9時。参加費無料で申し込みも不要。受け付けは同8時45分から。問い合わせは酒田商議所内の「ぶら探」事務局=電0234(22)9311=へ。