2018年(平成30年) 7月3日(火)付紙面より
ツイート
出羽三山の主峰・月山(標高1984メートル)が1日、山開きを迎えた。例年よりも多めの雪渓は残るものの、高山植物の花盛りで夏めく月山頂上ではこの日朝、御来光が雲海を朱色に染め上げた。
御来光は午前4時すぎ。時折かすみがかったが、柔らかな諧調の中に鮮烈な朱色が現れると、見守っていた山小屋の宿泊客らは歓声。記念撮影を楽しんだり、手を合わせて静かに目を閉じるなどさまざまだった。
山頂へは今回で6回目という佐々木幸子さん(51)=岩手県奥州市=は、娘の遥さん(16)の来年の大学受験祈願で一緒に参拝。「今年は雪渓で苦労したが、御来光も見られて良かった」と話した。
この日午前は、山頂の月山神社本宮で開かれる開山祭に合わせて、多くの参拝者らが山頂を目指した。月山8合目から登る羽黒山口コースでは、例年と比べて大規模な雪渓に足を取られそうになる場面も。強い日差しもあったが、稜線(りょうせん)では庄内の海岸線を見下ろす眺望と爽やかな風が参拝者を癒やした。