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2018年(平成30年) 12月14日(金)付け紙面より

地域の伝統芸能継承へ デジタルアーカイブ化を考察

 文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け、IT技術を活用した地域文化伝承環境の研究に取り組んでいる東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)などが主催したシンポジウム「過去・現在・未来をIT技術で繋(つな)ぐデジタルアーカイブ」が12日、同市の公益大公益ホールで開かれ、講演とパネル討議を通し、参加者が地域文化のデジタルアーカイブ化(デジタル記録・保存)、伝統芸能の継承法を考察した。

 文科省によるブランディング事業は、学長のリーダーシップの下、特色ある研究を軸に独自色を大きく打ち出す取り組みを行う私立大学を支援するもの。公益大は昨年、庄内地域に連綿と伝わる民俗芸能を中心とした地域文化の伝承環境構築にIT技術を用いるための研究「日本遺産を誇る庄内地方を基盤とした地域文化とIT技術の融合による伝承環境研究の展開」を応募し、同11月に採択された。

 研究は、2014年4月から2カ年にわたって公益学部長を務め現在、特別招聘(しょうへい)研究員として後進の指導に当たっている玉本英夫さん(情報工学)を中心に全学を挙げて推進。玉本さんは秋田大教授・副学長を務めていた当時、人物や物体の動きをデジタルデータ化する技術「モーションキャプチャー」を用い、盆踊りなどをテーマに指導者と受講者の動きの比較がひと目で分かり、踊りの振りを学ぶことができる「舞踊学習支援システム」を構築している。

 公益大は今年3月、モーションキャプチャー新システムを導入、研究の一環として国指定重要無形民俗文化財「黒川能」(鶴岡市)、酒田甚句(酒田市)の所作をこれまでに保存している。玉本さんによると、ビデオなどによるアナログ保存と比較し、デジタル保存は拡大や縮小が容易な上、360度あらゆる視点から再現することが可能という。

 シンポジウムは、本年度の公益信託荘内銀行ふるさと創造基金支援事業の助成を受け、公益大と公益大文化財デジタル化研究所(所長・吉村学長)が企画、市民ら約30人が聴講に訪れた。最初に秋田県大仙市アーカイブズ(公文書館)主席主査の高橋一倫さんが「大仙市アーカイブズのデジタルアーカイブへの取組」と題し同市で行っている記録保存の事例を紹介、「デジタルアーカイブの可能性はこれからも追求していきたい。紙は1000年持つが、デジタルの場合、次々と進化し続ける保存形式に課題を残し、持っても100年といわれている。原本を守っていく努力も重要」と語った。

 引き続き公益大准教授の渡辺暁雄さんの司会で、高橋さん、黒川春日神社下座能太夫の上野由部さん、玉本さん、公益大講師の小関久恵さんが「地域文化を未来に繋ぐ―デジタルアーカイブの視点から」と題しパネル討議。このうち玉本さんは、昨年から取り組んでいる黒川能の所作のデジタル化に関して「3次元空間での動きを記録・保存できる、新たな伝承方法とも考えている。これをどう活用していくか。今後さらに研究を進めたい」と述べた。

 これを受け、自らの舞い姿をデジタルデータ化している上野さんは「一番が長いため、動きが複雑になる後半からキリ(最後)にかけ、これまで9―10種をデジタルデータ化。何より裸の動きが見られるのが魅力。囃子(はやし)も含め芸の向上とともに、継承していく上でもプラスになる」と語った。参加者はメモを取りながら熱心に聴講し、デジタル化による記録保存の可能性・実現性、将来に向けた継承環境を探っていた。

地域文化のデジタルアーカイブ化などについて考察したシンポジウム
地域文化のデジタルアーカイブ化などについて考察したシンポジウム



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