2018年(平成30年) 7月29日(日)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学国際教養コース2年、湯本巴瑠季さん(19)=米沢中央高卒=が、大学受験に向けて自ら記した「倫理」のノートをまとめた学習本「ワ・タ・シの思想家ずかん」が来月発刊される。教科書に必ず出てくる有名な人物から知る人ぞ知るマイナーな人物まで、思想家180人を独自のタッチでキャラクター化した自らのノートを書籍化。湯本さんは「この本をきっかけに楽しく勉強してほしい」と話している。
「倫理は苦手で30―40点ほどしか取れなかった」という湯本さん。大学受験に向けて「どうしたら楽しく倫理を勉強できるか」と考えた時、浮かんできたのが得意の絵を生かしての思想家のキャラクター化。独自の世界観で古今東西の180人分を描いた。
例えば、「2つのJ」で有名な「内村鑑三」はJが連なったネックレスを着け、左手には聖書を持たせている。「我思う、ゆえに我あり」と説いたルネ・デカルトはクールな目元、生態系の保護に尽力した「南方熊楠」は顔の半分を占める大きな眼鏡がそれぞれ特徴。いずれも周囲にはその人物が展開した思想、功績を吹き出し状にして記載。湯本さんはこの勉強法を始めて以降、成績が80点前後まで上がったという。
小学生の頃から絵画を描くのが好きだったという湯本さんは、「ゆも」というハンドルネームで作品を紹介するツイッターアカウントを持っており、フォロワー数は1万人ほど。昨年8月にこのノートをツイッターに掲載したところ、1週間足らずで2万近くリツイートされるなど大きな反響を呼んだ。これが教科書や教育関連書籍の出版・販売などを手掛ける清水書院の担当者の目に留まり、今回の出版デビューが決定。湯本さんは「出版社から連絡を頂いたのは約1年前。声を掛けられるとは思っていなかったが、自分のやってきたことが認められ、気持ちが高揚した。わくわくする」と話す。
「ワ・タ・シの思想家ずかん」はB6判、200ページで来月6日(月)に販売開始予定。税込み1620円で、全国の書店に並ぶ。湯本さんは「多くの人から日々の勉強に役立ててもらえたらうれしい。この本をきっかけに『倫理って楽しい』と思ってもらいたい」と話した。
2018年(平成30年) 7月29日(日)付紙面より
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酒田市総合文化センター体育室で27日、地元の高校生たちが「魔法学校」をテーマに作った巨大迷路が開設され、大勢の子どもたちが“入学”し、魔法使いの世界を楽しんでいる。
市教育委員会に事務局を置く高校生ボランティアグループ「かざみどり」(会員26人)が中心になって2013年度から毎年、夏休み中に行い、人気の恒例行事として定着しつつある。6回目の今年は、6月から会議を重ねてテーマや趣向を考えて設計。今月20日から展示用パネル(高さ1・8メートル、幅1・2メートル)を約200枚使い、約20メートル四方の迷路を作った。
迷路全体を魔法学校になぞらえ、入り口から「入学」して、問題を解きながら3つのスタンプを集め、出口から「卒業」すると、魔法使いになれるという趣向。途中には、魔法の実験室を模した一角や、大きなクモ、キノコのお化け、恐竜の標本などを置いた場所も。初日の27日は午前10時の開始とともに、小学生のグループや親子連れが次々に訪れ、中には「楽しい」と何度も入り直す子もいた。
かざみどりメンバーの小野寺由衣さん(16)=酒田光陵高普通科2年=は「スタンプはこれまでは市販のものを使っていたが、今回は消しゴムで自作するなど、手作りにこだわった。実験室は大きな鍋を置いたり、魔法学校のイメージが出るように工夫した。たくさんの人に楽しんでほしい」と話した。
これまではお化け屋敷のように会場を暗くしていたが、幼児も楽しめるように明るくした。また、記念撮影ができるよう、魔法使いの格好になれる「顔はめパネル」も製作した。巨大迷路は31日(火)まで毎日午前10時から午後4時まで開設している。