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2019年(平成31年) 3月12日(火)付紙面より

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中村氏の功績と人柄しのぶ

 昨年12月25日に95歳で死去した酒田市名誉市民で、セイコーエプソン(長野県諏訪市)元社長で名誉相談役の故・中村恒也氏の「お別れの会」が9日、酒田市のガーデンパレスみずほで開かれ、世界初の市販向けクオーツ(水晶発振)腕時計を開発し、セイコーエプソングループの礎を築くなど世界的な技術者・経営者として活躍した中村氏の功績と温かな人柄をしのんだ。

 お別れの会は酒田市の主催で、セイコーエプソン関係者など県外からも含め約250人が参列。黙とうの後、丸山至市長は市との関わりを中心に中村氏の功績を紹介した上で、「ものづくりを通してふるさと酒田の発展に尽力した中村氏の思いをしっかり受け止め、これからも未来に誇れるまちづくりに励むので、天空より見守ってほしい」と追悼の辞を述べた。

 引き続き、田中廣市議会議長、同じ名誉市民として中村氏と親交があった平田牧場グループの新田嘉一会長、酒田商工会議所の弦巻伸会頭、東北エプソンの外山義信社長、セイジ・オザワ松本フェスティバル総合コーディネーターの武井勇二氏の5人がお別れの言葉を述べた。このうち新田氏は、酒田大火(1976年)や住軽アルミニウム工業の撤退(82年)など酒田が衰退しかけていた時、中村氏が東北エプソンを設立して窮状を救った功績などを挙げ、「私たちがきちんと生活できるのも中村氏のおかげ。庄内にとって本当に惜しい人を失った」と悼んだ。

 遺族を代表して中村氏の長男・治夫氏が「父は心から酒田を愛していた。心から御礼申し上げる」とあいさつ。丸山市長をはじめ、参列者が遺影に次々に献花し、別れを惜しんだ。

 中村氏は1923年、酒田市生まれ。69年には世界初のクオーツ腕時計「セイコークオーツアストロン35SQ」の商品化に成功、「時計の革命」をもたらした。世界的指揮者・小澤征爾氏を中心に92年に長野県松本市で始まったサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)の開催に尽力するなど、芸術文化の振興にも貢献。85年の東北エプソン(酒田市)の設立・誘致に尽力。酒田市への寄付金を通じ青少年のものづくり教育を推進するなど、教育振興にも貢献した。

中村氏の功績と人柄をしのんだ「お別れの会」
中村氏の功績と人柄をしのんだ「お別れの会」


2019年(平成31年) 3月12日(火)付紙面より

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黒森歌舞伎「神撰の儀」 来年正月公演の演目決まる

 酒田市黒森に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)で、来年2月に行われる正月公演の演目を決める「神撰(しんせん)の儀」が10日、黒森日枝神社で行われ、若手役者が引き寄せたくじで「義経千本桜」に決まった。

 ご神体に代わり、身を清めた若者が翌年の演目を選び出す「神撰の儀」は、神事的芸能の要素を残す黒森歌舞伎独特の儀式で、芝居の奉納を受けた神社が役者らを招いて開く宴「太夫振舞」の前に行っている。

 今年の撰者は、今年2月の正月公演、同3月の酒田公演にも出演した菅井雅哉さん(18)=羽黒高3年=で、1週間にわたって肉などを断ち、この日に備えた。菅井さんは神社でお払いを受けた後、下履き姿で社殿を出て境内の井戸で水ごり。手おけで7杯半の冷水を浴び身を清め、再び神前に正座。竹の棒に付けたこよりで、一升ますの米の上に置かれた演目候補のくじ3枚から「神意」で1枚を引き寄せた。

 今年11月のポーランド公演でも演じる、来年の演目「義経千本桜」は2010年以来、10年ぶり。黒森歌舞伎一座「妻堂連中」の冨樫久一座長は「初の海外公演と同じ演目になり、びっくりした。不思議な縁」と。そして「より多くの皆さんから面白いと言ってもらえるような公演にしたい」と続けた。

菅井さんが引き寄せたくじで「義経千本桜」に決定。右は冨樫座長
菅井さんが引き寄せたくじで「義経千本桜」に決定。右は冨樫座長



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