2019年(平成31年) 3月21日(木)付紙面より
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県は19日、「津波防災地域づくりに関する法律」(2011年制定)に基づき、遊佐町を津波災害警戒区域(イエローゾーン)に指定した。対象となるのは同町沿岸部の258ヘクタール。全国12番目の指定で東北地方では初となる。区域指定によりハザードマップ作成や避難促進施設(学校や病院、社会福祉施設など)の避難確保計画作成などが義務付けられる。県は「津波からの避難体制を強化するための指定。ハザードマップや避難計画、住民主体の避難訓練など、どれも命を守る大切なものと考える」と話している。
今回、遊佐町で指定された区域は約20・4キロにわたる沿岸部がほとんどで、海岸から約2・5キロ離れた同町直世など川沿いで津波の影響が出る地点も加えられている。また、区域指定された市町村に義務付けられるハザードマップは、基準水位(津波が建物などに衝突した際の水位の上昇を考慮したもの)を表示したものを新たに作成する必要がある。同町の基準水位の最大値は同町吹浦の釜磯海水浴場付近で、約12・3メートル。
このほか、同町の指定区域内にある避難促進施設の吹浦保育園では、津波避難計画の作成や年1回以上の避難訓練の実施が義務付けられる。建築や土地利用に対する法規制は発生しない。
県庁で記者会見した佐藤仁喜弥危機管理監は「避難経路の確保や避難場所の表示だけでなく、ソフト面からも避難体制の強化を図り、有事の際は一人でも多くの命が助かるようにしたい」と述べた。また、鶴岡、酒田の両市については「鶴岡市で順次住民説明会を開催しており、新年度から酒田市でも実施する。まずは区域指定についてしっかりと理解してもらい、なるべく早く指定に向けた手続きを進めていきたい」とした。