2019年(平成31年) 4月10日(水)付紙面より
ツイート
業務用の衛生管理製品などを手掛ける「花王プロフェッショナル・サービス」(本社・東京都)は8日、花王酒田工場がある縁で酒田市に対し、災害時の備蓄用の大人用紙おむつと尿取りパッド、合わせて1000箱(2540パック=5万4160枚)を寄贈した。市が福祉避難所に指定している市内の特別養護老人ホームなどに備蓄される。
社会福祉貢献事業として花王グループの工場がある自治体に寄贈しているもので、昨年10月の和歌山県に続いて2カ所目。寄贈したのは、抗菌性・防臭性・吸水性に優れた紙おむつと、その交換用尿取りパッド。一般に市販されている大人用紙おむつは吸水量が最大で750CC程度(尿5回分程度)なのに対し、寄贈品は業務用の1100CC(尿7回分程度)。1000箱は600人の1カ月分という。
市は寄贈品の一部を直接備蓄するほか、大半は市内の福祉避難所18カ所に備蓄する。同避難所は、災害時にケアが必要な高齢者や障害者らを受け入れるため、市が指定している特別養護老人ホームや老人保健施設、障害者施設など。
この日は、花王プロフェッショナル・サービスの堤利民取締役が松本愼治販売グループ部長、花王酒田工場の遠藤正規工場長と共に市役所を訪れ、丸山至市長に紙おむつの目録と現物の一部を寄贈した。
丸山市長は「災害への備えは自治体の重要な課題で、特に市では避難所運営に力を入れており、寄贈は大変ありがたい。高齢者らも心強いと思う」と感謝。堤取締役は「大災害では物流が途絶え、発災から数日間は物資補給がなくても耐えられる準備をしておくことが重要。そうした備蓄に貢献でき、うれしい」と話した。
市は災害時の食料や生活用品を中学校区単位で備蓄している。紙おむつについても既に赤ちゃん用と大人用、計300パックを備蓄しており、今回の寄贈分で高齢者向けが大幅な拡充となる。
花王プロフェッショナル・サービスは全国の自治体とは別に、医療関係団体などにも備蓄用紙おむつを寄贈しており、地元では来月にも、県・酒田市病院機構など8法人で組織する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」にも200箱程度を贈る予定。