2019年(平成31年) 4月13日(土)付紙面より
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酒田市は、改修計画を進めている「旧割烹(かっぽう)小幡」(日吉町二丁目)の使用予定者を、16日(火)からあらためて募集する。昨年10―12月にいったん募集し、1社の応募があったが、その後、辞退したため、市が募集の在り方を見直していた。和館1、2階の使い方を変え、一括募集を分割募集にするなど、収益性などに配慮し、より応募しやすい方法に変更する。
小幡は1876(明治9)年、酒田港を見下ろす日和山頂上に開業。1998年に廃業後、映画「おくりびと」のロケ地となった。保存活用を望む声が高まったため、市が建物を取得。2017年度の調査では、明治初期に建てられ、板垣退助ら多くの著名人が滞在した建物がそのまま残っている可能性が高いことが判明。市は補強・改修し、新たなにぎわい創出の拠点として整備する方針を固め、昨年8月から実施設計を進めている。
活用方法については、東側の洋館(コンクリート・木造混構造3階建て)は1階の天井を取り払って天井を高くし、延べ床面積126平方メートル程度とし、民間の飲食店を入れる。西側の和館(木造2階建て)は1、2階が各256平方メートル程度で、民間の飲食店が宴会などに使う広間や、休憩や食育交流などを行う公共スペースとする計画だ。
昨年に使用予定者を募集した際は「洋館と和館2階を長期独占エリアとして一括募集」「和館1階を公共スペースとし、長期独占使用者に指定管理委託する」という内容だった。しかし、応募者の辞退を受け、市が市内の飲食店などに行った聞き取り調査では「洋館は狭く、通常の運営をここだけで成り立たせるのは困難」などの意見が出たため、募集方法を変更する。
今回は「洋館と和館1館をそれぞれ長期独占エリアとして分割募集する。一括運営も可」「和館2階を公共スペースとして指定管理、または市直営」として募集する。長期独占エリアの使用料は「売り上げの5%で、最低で洋館は月5万円、和館1階は同10万2000円」で、積算基準(1平方メートル当たり月400円)は初回募集時と同じ。応募者は市内に本支店を置く法人、または個人で、市外の応募者は選定後に市内に法人を設置する必要がある。使用期間は、オープン予定の2021年4月から5年間。
募集は今月16日から6月17日(月)まで。6月下旬に応募者による公開プレゼンテーションを行い、有識者らによる審査員が審査。7月上旬に使用予定者を決定する。12月定例市議会に改修工事費を諮り、同下旬の着工を目指す。
市交流観光課では、港町・酒田を象徴する日和山周辺の中核施設になる見通しを強調した上で「使用予定者の希望を聞いた上で厨房(ちゅうぼう)の位置など設計を調整し、手戻りがないようにしたい」としている。詳しい応募要項は16日以降、市のホームページや市広報で公表する。