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2019年(令和1年) 5月3日(金)付紙面より

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1月の黒森歌舞伎ポーランド公演 Tシャツで応援

 今年11月に初の海外公演としてポーランドに行く酒田市黒森の「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)を応援しようと、市内の同歌舞伎ファンの女性がオリジナルのTシャツを製作した。販売収益を同公演用に寄付するもので、5月15日から一般に販売する。

 黒森歌舞伎は11月、日本・ポーランド国交樹立100周年を記念し、日本の伝統文化を紹介するため、全国約170の地芝居を代表して招かれる。黒森地区の住民でつくる「妻堂連中」(冨樫久一座長)の約40人が渡航。首都ワルシャワとクラクフの両都市で「義経千本桜」の名場面「鳥居前」を演じる。8月13日は同演目を地元住民に見てもらおうと、異例の夏公演を黒森日枝神社で開き、機運を盛り上げる。

 Tシャツを製作したのは、同市緑町のグラフィックデザイナー、久松理子さん。2013年2月の黒森歌舞伎正月公演の時から、黒森地区の女性たちの依頼で同歌舞伎の押し絵のデザインを担当。以来、同歌舞伎のファンになり、隈(くま)取りをした犬のキャラクター「くろもりん」を考案するなど、多面的に支援している。

 今回は、黒森小児童が同歌舞伎の缶バッジを作り、収益で歌舞伎PR用ののぼり旗を作っていることなどを知り、「自分も本業でポーランド公演の手伝いを」と思い立ったという。

 夏公演に向け素材はTシャツとし、生地の色は地名や歌舞伎のクールさをアピールしようと黒にした。裏面に白文字で「KUROMORI KABUKI」、裏面と表面(左胸)の双方に見えを切るくろもりんの顔を印刷した。1枚2500円(税込み)で販売し、収益の一部をポーランド公演用に寄付する。

 当初は限定100枚の予定で製作。4月28日の黒森日枝神社の例大祭前夜祭でお披露目したところ、住民に「デザインがおしゃれ」など好評で、その場で約70枚が売れた。このため、この連休明けに100枚を追加発注する予定。

 久松さんは「歌舞伎や伝統芸能というと、とっつきにくいイメージだが、そうではない。若い世代にもっと親しんでほしいと、ファッションとして楽しめるデザインにした。気軽に着て、黒森歌舞伎を応援してもらえたら」と話している。

 Tシャツのサイズは、S、M、L、XL、2XLの5種で、各サイズとも限りがある。問い合わせは黒森コミュニティセンター=電0234(92)2255=へ。くろもりん押絵クラブのホームページを介し、インターネット販売もする。ネット販売の価格は、手数料や送料を加え2800円(税込み)。

オリジナルTシャツを手に、「これを着てポーランド公演を盛り上げて」とアピールする冨樫座長
オリジナルTシャツを手に、「これを着てポーランド公演を盛り上げて」とアピールする冨樫座長


2019年(令和1年) 5月3日(金)付紙面より

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武者行列 勇壮な時代絵巻

 酒田市松山地域の中心部にある中山神社の例大祭「松山まつり」が1日、行われ、ともに市指定無形文化財の「武者行列」と「松山藩荻野流砲術」が、勇壮な時代絵巻と迫力の演武で見物客を魅了した。

 同神社は、江戸前期の正保4(1647)年に庄内松山藩の初代藩主・酒井忠恒公が立藩した翌慶安元年に創建された。その後、同家は庄内藩祖・酒井忠次公と、徳川家康の嫡男・信康公を祭るために社殿を造営した。信康公を祭るのは、織田信長の命で同公が切腹した際、忠次公が深く関わっていた縁。

 武者行列は宝暦7(1757)年ごろから祭典の神輿(みこし)渡御を警護したのが始まりで、旧松山町が1986年、無形文化財に指定している。今年は東部中の生徒45人と氏子ら計約100人が甲冑(かっちゅう)姿の鉄砲組や弓組、足軽組などの隊列を編成。午後1時から約3時間かけ、同神社から松山地域の中心部約4キロを練り歩いた。中でも松山歴史公園内の松山城大手門(県指定文化財)は県内で唯一現存する城郭建築ということもあり、馬に乗った侍大将が通過する光景をカメラに収めようと、多くの見物客が待ち構えシャッターを切った。

 一方、荻野流砲術は江戸前期の寛文元(1661)年、明石藩の荻野六兵衛安重が創始したもので、庄内松山藩では藩士・山本丈右衛門が文化5(1808)年に免許皆伝を受けて広めた。明治以降は中山神社の祭典で演武したが、戦後は火薬使用の規制強化で中断。1998年に松山藩荻野流砲術伝承保存会(小田一夫会長)が同藩350年祭に合わせ復活させた。旧松山町が2003年に無形文化財に指定している。

 この日は午前11時から松山歴史公園の芝生広場で、保存会の小田会長以下、女性2人を含む隊員9人が演武。隊長の「構え、放て」の号令で立ち放ちや腰放ちなどを披露すると、ごう音とともに火花と白煙が上り、見物客たちが「おー」「すごい」などと歓声を上げた。

 女性隊員は、ともに狩猟仲間の隊員に誘われ17年4月に入隊した赤澤智子さん(45)=鶴岡市若葉町、農業、門脇まゆさん(28)=庄内町前田野目、会社員=の2人。松山まつりでの演武は赤澤さんが2回目、門脇さんが初。赤澤さんは「隊の活動を通じ、地元の歴史への認識を新たにしている」、門脇さんは「散弾銃と違い、昔の人の苦労が分かる」とそれぞれ話した。

武者行列で松山城大手門(奥)を通る侍大将=1日午後1時半すぎ
武者行列で松山城大手門(奥)を通る侍大将=1日午後1時半すぎ

迫力の演武を披露した荻野流砲術隊=1日午前11時すぎ
迫力の演武を披露した荻野流砲術隊=1日午前11時すぎ



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