2019年(令和1年) 7月3日(水)付紙面より
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本県沖を震源とする先月18日夜の地震の影響で休業していた鶴岡市のあつみ温泉の4旅館が1日、営業を再開し、温海温泉旅館組合加盟の全7旅館がそろった。キャンセルが相次ぎ、各旅館の宿泊状況は鈍い出足となっているものの、旅館関係者は再出発の契機を前向きに捉えている。
あつみ温泉では、源泉の配湯管の被害などで給湯が停止し、地震翌日の19日は全旅館で休業。給湯設備は21日までに復旧し、被害の少なかった旅館から順次営業を再開していた。1日、「たちばなや」「萬国屋」「高見屋別邸久遠」「かしわや」の4旅館が加わった。
屋根瓦を中心に施設が被災し、地震後約2500人分のキャンセルもあったという萬国屋ではこの日県内外から90人が宿泊。約2週間ぶりに宿泊客を出迎える従業員の声も弾んだ。新潟市から夫婦で訪れた自営業、清水洋さん(60)は「もともと予約していた30日はキャンセルしたが、一度は泊まってみたいと妻の要望もあって足を運んだ。評判通りで良かった」と話した。
大滝春一常務取締役総支配人(60)は「あつみ温泉がそろって再スタート。にぎわいを取り戻せるよう頑張りたい」と前を向いた。
2019年(令和1年) 7月3日(水)付紙面より
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県教育委員会による庄内中高一貫校(仮称)設置を含む田川地区の県立高校再編整備計画の説明会が1日、鶴岡市を皮切りに始まった。県教委が再編計画の背景や概要、今後のスケジュールなどを説明し、参加者からは「なるべく早く中高一貫校の開校時期を示してほしい」などの要望が出された。県教委は今月11日に庄内中高一貫校の教育方針などを検討する教育基本計画策定委員会の設置を明らかにするとともに、来年7月の基本計画策定前に、開校時期や設置する県立中学校の学級数と定員を公表する方針を示した。
説明会は、児童生徒の保護者や住民から再編整備計画に対する理解を深めてもらう目的で、8日にかけて庄内5市町で開く。
1日夜に鶴岡市第三学区コミュニティセンターであった説明会には、約120人が参加した。幼児や児童の保護者とみられる世代の参加が目立ち、夫婦そろって県教委の説明に聞き入る姿もあり、中高一貫校設置への関心の高さをうかがわせた。鶴岡南、鶴岡北の両校を統合し県立中学校を新設する庄内中高一貫校について計画では、「2024年度以降、できるだけ早い時期に開校」、高校に普通科6学級、理数科1学級、中学校に2―3学級の設置案を示している。
24年度開校の場合、現在の小学2年生が中学入学選抜、小学5年生が高校入学選抜となる。説明後の質疑で参加者からは「開校時期への関心が強い。とにかく早く時期を示して」「小学生の負担にならないよう、適性検査は採用せず作文や面接、グループワークなどで選抜してほしい」「塾に通わせられる家庭の子どもだけが入学できる学校にはしてほしくない」など多様な意見、要望が出された。
一方、鶴岡南山添校と鶴岡工業定時制の募集停止など田川地区高校再編の全体像に関し、「特別支援が必要な児童生徒が増える傾向にある。再編を機に田川地区高校の特別支援の充実を考えてほしい」といった意見も出された。