2019年(令和1年) 8月30日(金)付紙面より
ツイート
昨年1月まで本紙・荘内日報に連載していた「森の時間―山形大学農学部からみなさんへ」の写真を担当した自然写真家、斎藤政広さん(70)=酒田市日吉町一丁目=が、鳥海山に咲く花140種を写真と文章で紹介した写真集「鳥海山花図鑑」(みちのく書房)=写真=を発刊した。
斎藤さんは横浜市出身で、1984年に酒田に移り住んだ。主として庄内地域の自然をモチーフにした作品を撮り続けており、中でも「鳥海山とブナ」をテーマにした作品には定評がある。毎年4―5月に市内で個展を開催、酒田に新緑の季節到来を告げる風物詩となっている。主な著書・写真集に「鳥海山・ブナの森の物語」(無明舎出版)、「ブナの声」シリーズ(自費出版)などがある。
今回の写真集は、2010年に刊行した「鳥海山花図鑑」を全面リニューアルしたもので、既刊に20種加え、さらに新たな情報を盛り込んでいる。鳥海山に咲く花140種の和名や別名、学名とともに、分布、観察に役立つ情報も収録。色別に記載しているのが特徴となっている。「花の栞」と題したコラムも掲載した。
鳥海山を代表する「チョウカイフスマ」の項目では、草丈、花期、学名といった情報の他、「その美しい花の形から学校の校章にも多く採用されています。高山帯の岩場や砂れき地をはじめ、岩の割れ目などでも見られるように根が深く、他の植物が入り込めないような過酷な環境の中でも生きていくことができるたくましさをもった花です。多年草」などと記している。
四六判、160ページ。オールカラー。1700円(税別)。本書に関する問い合わせは斎藤さん=電0234(23)3822=へ。