2019年(令和1年) 9月24日(火)付紙面より
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岩手県の北上山地の主峰、早池峰(はやちね)山に伝わる国の重要無形民俗文化財「早池峰神楽」の奉納舞が21日に鶴岡市の出羽三山神社三神合祭殿、22日に羽黒山荒澤寺正善院で披露された。数ある神楽の中でも激しさや荒々しさが特徴の舞が、出羽三山に初奉納された。
早池峰神楽は、早池峰山の麓の大迫町の岳(たけ)と大償(おおつぐない)の2地区に伝わる神楽の総称。1976年に国の重要無形民俗文化財に指定、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録された。その初源は南北朝時代にまでさかのぼると考えられ、500年以上の伝統を持つ。山伏が行った祈祷(きとう)の舞が神楽となったとされ、山伏修験道にルーツがあるといわれている。
手向地区の有志による早池峰神楽奉納実行委員会(斎藤一委員長)が主催し、岳神楽保存会(小國朋身会長)が来山。確かな記録はないが、少なくとも明治以降では初奉納となるという。
22日の正善院では仏前で式舞「三番叟の舞」、神々が登場する神舞「天降(あまくだり)の舞」、獅子舞の「権現舞」が奉納された。太鼓や鉦(かね)の軽快な音が響き渡る中、奉納を見守った人たちは、扇子や刀などを手に、踏んで跳ねて、激しく回る一子相伝の神楽に引き込まれていた。権現舞では、獅子に頭をかんでもらい、無病息災を願っていた。
奉納舞の後、正善院住職の島津弘海さん、小國会長、大聖坊の星野文紘さんが「修験道と芸能」をテーマに鼎談(ていだん)した。