2019年(平成31年) 2月17日(日)付紙面より
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酒田市黒森地区に280年以上前から伝わる農民歌舞伎「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)が15日、地区の日枝神社境内の常設演舞場で奉納上演され、県内外の伝統芸能ファンらが笑いあり涙ありの時代絵巻を堪能した。同じ演目は17日(日)に同会場、来月3日(日)には酒田公演として同市の希望ホールでも行われる。
江戸・享保年間(1716―35年)、村人のすさんだ生活に心を痛めた与作という村人が、勧善懲悪の教えを広めようと、若衆に芝居をさせたのが始まりといわれる。現在は地区住民による妻堂連中(冨樫久一座長)が受け継ぎ、毎年2月15、17日に「正月公演」として黒森・日枝神社で奉納上演している。屋外で鑑賞するため「雪中芝居」「寒中芝居」とも呼ばれる。
この日は雪も降らず、穏やかな天候。正午から黒森小児童による少年歌舞伎「青砥稿花紅彩画」(通称・白浪五人男)の「稲瀬川勢揃いの場」に続き、午後1時から妻堂連中が19年ぶりとなる本狂言「ひらかな盛衰記」の「梶原館源太勘当の場」「福嶋松右エ門内同裏手船中」「同物見の松」の3幕を演じた。
本狂言は源氏合戦の家臣たちを題材にしたもので、子を思う母の愛情や主君への忠義などさまざまな人間模様が、激しい立ち回りやコミカルな演技も交えて演じられた。観客たちは地酒や特製弁当などを飲み食いしながら、「よっ、待ってました」と声援を送るなど思い思いに楽しんでいた。
途中、端役が、今年11月に黒森歌舞伎がポーランドで公演することを紹介すると、温かい応援の拍手が湧いた。
17日も黒森・日枝神社で正午から少年歌舞伎、午後1時から本狂言が行われる。入場無料。一方、3月3日の酒田公演は正午から希望ホールで行われる。こちらは前売り500円、当日700円(未就学児は無料)。問い合わせは黒森コミュニティセンター=電0234(92)2255=へ。
2019年(平成31年) 2月17日(日)付紙面より
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県立鶴岡中央高校総合学科の生徒たちによる出前ファッションショー「シルクガールズコレクション」が15日、鶴岡市茅原町の老人保健施設のぞみの園(佐藤久美施設長)で行われた。約100人の施設利用者が見守る中、生徒たちが自作したドレスや個性あふれるデザインの衣装でランウエーを歩き、施設利用者と交流した。
同学科被服系の生徒たちが毎年、鶴岡シルクを素材にした課題研究に取り組み、本年度も学びの成果をファッションショー「シルクガールズコレクション」(昨年11月開催)で披露した。
のぞみの園では昨年に続き2回目の出前ファッションショーで、3年生10人、2年生13人が訪れた。同園の職員たちも赤カーペットの手作りランウエーやスポットライト、華やかに装飾したステージを準備して高校生たちを迎えた。
初めに高校生モデルたちが音楽とともに登場。華やかなドレスや80年代ファッションのリメーク、御殿まりやアゲハチョウなどをモチーフにした個性あふれる衣装に身を包み、赤いランウエーを堂々と歩いてステージへ。施設利用者から「きれいだよ」「めっこいのー」の声援と拍手が送られた。続いて女性の施設利用者たちが男性職員のリードで、ウエディングドレス姿などで登場し、会場は笑顔に包まれた。
純白のウエディングドレスの高校生モデルを中心にシルクガールズがオールキャストでステージやランウエーに並び華やかにフィナーレを飾ると、施設利用者たちが高校生たちに花のプレゼントを手渡した。
3年生はシルクガールズとしてこの日が最後の活動。2年間プロジェクトリーダーを務めた今野萌香さん(18)は「施設の方々が笑顔で、喜んでもらえたようでうれしい。心に残る交流になった。後輩たちにもこの活動を引き継いでもらいたい」と話していた。