2019年(令和1年) 8月24日(土)付紙面より
ツイート
タイ国際航空(本社・バンコク)のエクニティ・ニティタンプラパス会長ら取締役7人を含む幹部が22日、酒田市を訪れ、今年10月末のバンコク―仙台間の定期便復活に向け、「観光や貿易促進が成功するよう祈っている」と期待を述べ、本県関係者に路線の維持・拡大への協力を求めた。
同社の仙台便は2013年12月―翌14年3月に運航されたが、その後は運休。宮城県や本県の関係者が中心になって復活を働き掛け、今年10月29日から週3便で、300人乗りの機材で復活する。
今回訪れたのは、エクニティ会長とスメート・ダムロンチャイタム社長ら取締役7人と、旅行会社ロイヤル・オーキッド・ホリデイズの役員を含め、グループ幹部14人。仙台便復活に向け「この路線をいかに重視しているかを各方面に伝えるため」(エクニティ会長)、21―25日の日程で来日、東北各地を巡っている。
一行はこの日、仙台市内のホテルで遠藤信哉宮城県副知事や郡和子仙台市長、本県の関係者ら約40人と会合を持ち、路線の維持・拡大に向けお互いに協力していくことを確認。その後、本県に入り、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で、本県関係者を交えた歓迎夕食会に参加した。
歓迎夕食会では、若松正俊副知事が「仙台への運航の決断に感謝。本県は果物王国で、1400年の歴史を持つ出羽三山の精神文化など日本人の心のふるさと。定期便の運航を機に、相互交流拡大に力を入れていく」、県タイ友好協会副会長の上野雅史荘内銀行頭取は「仙台便を心待ちにしている。双方向の交流に拍車が掛かると期待」と歓迎のあいさつを述べた。
エクニティ会長は「温かい歓迎に感謝。仙台便が就航すると、観光や貿易の可能性も広がる。タイ人はサクランボやラ・フランスなど日本の食べ物が大好きで、東北からたくさん運んでほしい。東北の人もタイに来てほしい。就航を機に、観光や貿易促進が成功するよう祈っている」とあいさつした。
2019年(令和1年) 8月24日(土)付紙面より
ツイート
庄内沖を震源とする6月の地震で被災した民家の瓦屋根修繕に関し、鶴岡市は22日夜、早急な復旧を進めるための住民説明会を同市温海ふれあいセンターで開いた。県瓦工事業組合側が修理依頼を調整しマッチングさせる体制を27日に整えることや、被災者の相談に応じる専用電話を設置したことなどを報告した。
市によると、瓦屋根の損傷で罹災(りさい)証明を受けた住宅のうち、修理完了・着手、契約済みなど修理に一定のめどが立っているのは、地震発生から約2カ月経過した今月16日現在で市全体の47%にとどまっている。修理依頼が地元など特定の業者に集中しているといった現状を踏まえ、市は同組合と県建設業協会鶴岡支部、田川建設労働組合の住宅関連事業者の団体に呼び掛け、見積書作成の迅速化と早期復旧に向けた対応を検討してきた。
説明会には被害の多い温海地域の住民ら約50人が参加。市側は修理に関する費用助成などの支援事業を紹介するとともに、復旧工事の進展に向けた県瓦工事業組合の取り組みなどを説明した。
参加者からは「地元業者には、(助成対象期間の)来年2月までに全ての工事を終えるのは難しいといった声もある。工事関係者が連携して修理を待っている人に早く手を差し伸べてほしい」といった要望があり、県瓦工事業組合側は「既に100件を超える見積もりや修理依頼を受けている事業者が鶴岡市内で4社ある。今月27日に、地元事業者と修理の調整、マッチングを組合として行う。マッチングが整ったものについては、工事着手のおおむねの時期を伝えたい」と説明した。
また、応急措置で対応したブルーシートや重しの袋が劣化し、雨漏りが生じているなどの指摘があり、市側は「状況を確認し、対応を検討する」となどと答えた。市は広報9月号の配布に合わせ、沿岸地域を対象に地震発生時の避難行動などに関するアンケート実施の予定も示した。
説明会終了後には個別相談も行われ、県瓦工事業組合の担当者に、被災状況の写真を示して修理や見積もりについて相談する人が相次いだ。瓦屋根修繕に関する説明会は、26日午後6時から、由良コミュニティセンターでも開催される。
県瓦工事業組合の災害復旧対策専用電話の番号は0234(25)3135。