2020年(令和2年) 8月16日(日)付紙面より
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戦後75年を迎えた終戦の日の15日、「平和の鐘」を鳴らす運動が全国各地で行われた。鶴岡市宝町の宗傳寺でも住民たちが戦没者の追悼と平和への願いを込め、ゴーン、ゴーンと鐘の音を曇天の夏空に響かせた。
宗傳寺では、2010年に第五学区の住民有志で結成した「5学区九条の会」が13年から毎年、同寺の協力で実施している。8回目の今年は会員約20人が参加。正午に合わせ、一人が1回ずつ鐘を突いた。同会の呼び掛け人の一人、渡辺みよ子さん(82)=同市宝町=は「戦争は絶対に嫌。世界平和への願いを新たにして突いた」、別の80代の女性は「75年前の今日は父の生家の余目(庄内町)に疎開していて、玉音放送を聞いた。あの声は忘れられない」と語った。
鶴岡市の鶴岡公園内にある護国神社ではこの日、「慰霊と平和を願う集い」が行われた。戦没者の遺族ら15人が参列し、市遺族会連合会の山田登会長が「戦没者の方々の犠牲の上に成り立っている平和の尊さに思いを巡らせ、令和の時代も平和で豊かな社会に努めていかなければ」と追悼の言葉を述べ、正午に政府主催の全国戦没者追悼式のテレビ放送に合わせて黙とうをささげた。