2020年(令和2年) 11月13日(金)付紙面より
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酒田市と姉妹都市盟約を締結するロシア連邦ジェレズノゴルスク・イリムスキー市、啓翁桜の輸出を機に交流がスタートした同国第2の都市、サンクトペテルブルク市。これまでの交流の歴史を振り返る企画展が、酒田市総合文化センターモールで開かれている。
酒田とジェ市の交流は1971年、第2回日ソ沿岸市長会議が新潟市で開かれた際、酒田側が環日本海の交流促進に向けてソ連側に姉妹都市提携の希望を伝えたのがきっかけ。翌72年の第3回会議でジェ市が名乗りを挙げ、79年に姉妹都市盟約を締結。以来、毎年のように一般や青少年が相互訪問しスポーツや芸術など多面的に交流している。酒田市によると、これまでジェ市から28回352人、酒田市から23回349人、合わせて51回、延べ701人が行き来している。
一方、ペテルブルク市との関係は2016年、JA庄内みどり(同市曙町一丁目、田村久義代表理事組合長)が特産の啓翁桜を輸出したのが始まり。18年2月には丸山至市長やJA関係者、さかた観光交流マイスターの酒田舞娘(まいこ)はじめ市の使節団がペテルブルクを訪問し、経済や文化など多面的な交流推進を要請。この時の合意に基づく青少年交流事業の一環で昨年3月、酒田南高の生徒たちがペテルブルク市の公立小中高一環教育校「第583番学校」などを訪ねたことなどを縁に両校は同11月、包括協定を結んだ。今年2月には583番学校の教諭と生徒計5人が酒田を訪問し、児童・生徒たちと交流した。
企画展は「日露地域交流年」(20―21年)に合わせ、新型コロナウイルスの感染拡大で海外との往来が困難な中、酒田とロシア両都市の友好交流の記録と記憶を振り返ることで今後につなげていこうと、市交流観光課が企画。
これまでの歴史をたどる写真パネル約80枚とともに、ジェ市との盟約締結式で交わされた「本協定は無期限である」などと記された協定書、寄贈を受けた各種民芸品を展示している。訪れた市民らは興味深げに見入っていた。
文化センターでの展示は16日(月)まで。引き続き20(金)―30日(月)は市交流ひろば1階ロビー、12月15(火)―24日(木)には市役所1階フリースペースでも実施する。入場無料。