2020年(令和2年) 2月27日(木)付紙面より
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県は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・吉村美栄子知事)の第2回会議を開き、政府が決定した国内のウイルス感染拡大防止に向けた基本方針を確認するとともに、県内での各種対応について申し合わせた。
会議には吉村知事をはじめ各部局の部課長など30人余りが出席。国内外での患者発生状況について全国1都15道府県と海外在住など合わせて127人の患者が発生していることを確認し、本県では今月24日まで20人を検査し、全員が陰性だったことが報告された。
また、県内での対応としてはこれまでの指定医療機関による患者の受け入れ態勢整備や、各保健所への相談窓口の設置、酒田港や庄内、山形の両空港での水際対策の実施などを確認。教育関係では県立中高校の卒業式は出席者の限定、時間短縮をして実施する方針などを挙げた。出席者は卒業生と保護者、教職員、来賓、必要最低限の在校生とする。
このほか、ウイルスの影響で県内の観光業者や製造業者が売り上げ減少など経営に影響が出ている現状を踏まえ、県商工業振興資金(地域経済変動対策資金)による資金繰りの支援など対応策を確認した。
自主的対応で安全性PR 鶴岡市内のタクシー会社
車内消毒や体調チェック入念に
新型コロナウイルス対策で鶴岡市内のタクシー会社が車内のアルコール消毒や、運転手の体調チェックなどに自主的に取り組んで安全性をPRしている。県外でタクシー運転手の感染が確認される中、タクシー業界への風評を払拭(ふっしょく)したい考えだ。
鶴岡市の出羽ハイヤーでは、この時期の売り上げが前年比で4割減と深刻な状況という。松本元朝(もとより)社長(60)は「暖冬で利用者が少ない。そこに輪を掛けるようにタクシー運転手の感染確認。業界全体に対する悪い風評まで広まっている」と頭を抱える。国や各地方自治体の公表などによると、タクシー運転手の感染は、13日に確認された東京都内の70代男性をはじめ、神奈川県、沖縄県でも確認された。
同社では15日からコロナウイルス対策を始めた。乗車ごとに、車内の手すりなどのアルコール除菌を徹底するほか、客の了承を得られれば走行中の換気も行う。勤務開始前には体温計測も実施、37・5度以上は自宅待機にするという。マスク着用も徹底したいが、マスク自体入手困難な状況が続いている。マスク探しで社員はほぼ毎朝奔走するも、十分な数は確保できていない。
2020年(令和2年) 2月27日(木)付紙面より
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鶴岡市・湯野浜温泉の「創作料理ワークショップ」が25日、亀やで行われた。湯野浜観光協会とDEGAM鶴岡ツーリズムビューロー(理事長・皆川治鶴岡市長)が共催しているもので、昨秋以来3回のワークショップを踏まえ、各旅館が献立を提案、関係者に振る舞われ、感想などを聞いた。
游水亭いさごやの大野直一調理長(48)が出したのが山形牛のしゃぶしゃぶと由良産アワビの踊り焼きで、アワビの殻が焼ける香ばしい磯の匂いが会場内に広がった。自らのホテルでも炭火のこんろをワゴンに載せ、客の間を回るサービスを行っている。しゃぶしゃぶの薬味にした地元産・雪中軟白ねぎのスライス山盛りも、ネギの甘い味が好評だった。監修役の東京・丸の内、東京會舘・鈴木直登和食総調理長(66)は「ネギがいい味をしていた。季節のものをしっかり打ち出すことが重要です」と及第点を与えた。いさごやの大野さんは「料理人が客とのコミュニケーションを取ることを鈴木さんに言われ、従来も行ってきたが、意を強くした。さらに新たな味に挑戦したい」と意気軒高だった。
亀やはサザエの磯煮に趣向を凝らし、竹屋ホテルは米の娘豚のしゃぶしゃぶだったが材料に庄内麩(ふ)を加えることで新味を出した。
鈴木さんは総評で「一軒のホテルが潤うだけじゃだめ。湯野浜温泉全体が潤い、にぎわいをつくらないと、さらなる観光客は来てくれない。“あそこのものを食べたいよね”という料理を多く作る努力を温泉街全体で続けてほしい」と注文を出した。
来月13日、最終イベントとして一般客を招いての「オール湯野浜」料理のイベントを行う。